ファッション

「バーバリー」が“男性向けのスカート”を提案する理由 リカルド・ティッシが語る

 「バーバリー(BURBERRY)」は、メンズに特化したファッションショーをロンドン・ファッション・ウイーク期間中に発表した。ブランドのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)は披露した2021-22年秋冬メンズの着想源を「男性であることへの自信」とインタビュー動画で説明する。「男性はスーツやボンバージャケット、トレンチコートを着ることができ、同じくドレスも着ることもできる。自分自身が着ているものに自信を持ち、根本的に自由であって欲しいと思う」と続ける。今季は「バーバリー」が得意とするトレンチコートやテーラードスーツなど英国スタイルを基調としつつ、男性に向けたスカートが登場。リカルドはこれまでにも手掛けてきた「ジバンシィ(GIVENCHY)」などで男性向けのスカートを提案してきたが、「バーバリー」でもステレオタイプの“男性らしさ”を崩し、ジェンダーを超越するウエアを見せる。

“どんなセクシュアリティーでも誇りをもって”

 リカルドは「どのようなセクシュアリティーであっても自分に自信を持って、自分の中のフェミニニティー(女性性)やマスキュリニティー(男性性)に葛藤せず、自身のセクシュアリティーに誇りをもって生きていくべきだ」という。彼が重要視していることは、「ジェンダーの流動性」だ。「音楽家のデヴィッド・ボウイ(David Bowie)や、アーティストのリー・バウリー(Leigh Bowery)、 バレエ振付け師のマイケル・クラーク(Michael Clark)のように、自分の中のフェミニニティーとマスキュリニティーを楽しんでいる人もいる。英国人の彼らはとてもシックでエレガント。個性を自由に表現し、実にエキセントリックだ」と語る。

 また現在の状況下だからこそ「表現の自由を大切にするべきだ」と述べる。「世界中が止まってしまったかのように、身近な愛する人とコミュニケーションを取ることや、自由に外出し、レジャーに出かけることも容易にはできない。人々は自由を求めて逃げ出したくなるもの。20世紀初頭の戦後がまさにそうで、人々は街から離れ、自然の中で暮らすようになり、自分自身の考えやアイデンティティーを見出した。自然の美しさや色彩、動物から得る無条件の愛情に心を動かされる」。

 “動物への無条件の愛情”をリカルドが語るように、今季の「バーバリー」はアニマルモチーフが多く隠れていた。ジャケットのフードやビーニー帽にはウサギやバンビのような耳が付いている。スニーカーには鹿のひづめをモチーフにしたソールを施し、ファー風のトップスの毛皮はプリントで表現した。他にも動物とおもちゃをイメージしたキーリングや、巨大化したボアバッグなどの目新しいアクセサリーが登場した。

“悪いことが起こった後には必ず良いことが訪れる”

 リカルドは動画で「私たちの仕事は夢を見ることができ、そしてその夢を現実にすることができる。今季のコレクションも世界中でみんなが夢見ていることを描こうと制作した。人生には良いことと悪いことが繰り返し訪れる。どんなに暗い状況になっても、必ず太陽が顔を出し、雨の後の虹のように、悪いことが起こった後には必ず良いことが訪れる。このコレクションを“エスケープ(脱出)”と題したのは、今の状況が終わったら皆が自然と触れ合うことを求めて、人類が本来あるべき現実世界に戻ると感じたから。このショーで創造性とアイデンティティーを讃えたかった」 と締めくくった。

最新号紹介

WWD JAPAN

2021-22年秋冬トレンド特大号 明るい未来に向けて心ときめく服を謳歌しよう

「WWDJAPAN」4月19日号は、2021-22年秋冬トレンドブックです。生活者の嗜好やニーズが細分化され、コロナがその流れに拍車をかける今、それでもデザイナーズブランドの新作をベースとしたトレンドをまとめるのは、半歩先の未来を見るデザイナーたちの視点に価値があるからです。コロナ禍でファッションに心地よさを求めた21年春夏からさらに歩みを進め、“ファッションで心踊らせたい” “オシャレを楽しみた…

詳細/購入はこちら