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J.フロント好本社長 逆境下で「脱・百貨店」の総仕上げ

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 大丸松坂屋百貨店とパルコを運営するJ.フロント リテイリング(JFR)は、新常態への対応を急いでいる。昨年5月に新社長に就任した好本達也氏は、同社が長年推進する「脱・百貨店」路線の急先鋒。逆境下でどのような手を打つのか。(この記事はWWDジャパン2021年2月22日号からの抜粋です)

WWDジャパン(以下、WWD):百貨店のビジネスモデルが根底から揺らいでいる。

好本達也J.フロント リテイリング社長(以下、好本):都心の一等地で大勢のお客さまを集める百貨店の前提が崩れた。JRの大型ターミナルに直結する大丸東京店や大丸梅田店は、われわれが特別な販促をしなくても鉄道が通勤客や観光客を毎日運んできてくれた。東京駅や大阪駅周辺の再開発も目白押しで、長期的な発展も見通せていた。だからずっと高い家賃を払い続けてきた。今の状況がずっと続くなら極端なことも視野に入れなければならなくなる。ワクチン接種も始まり、感染拡大が収まったとしても、元通りにはならないだろう。本当に予想がつかない。ターミナル立地の百貨店は、現時点で大型改装や戦略変更など拙速な判断はすべきではない。

WWD:ターミナル立地以外の店舗は?

好本:都心でも大丸神戸店や松坂屋名古屋店のように、自動車で来るお客さまが多い店はダメージが比較的少ない。大丸神戸店にはこれまで大阪・梅田で買い物をしていた神戸や芦屋在住のお客さまが増えた。密を避けて、近場でショッピングしたいという心理だろう。大丸神戸店が不動産を保有する周辺のブランドショップと連携すれば品ぞろえで梅田に負けないし、MDの補強など投資もしやすい。松坂屋名古屋店がある栄では、近隣にパルコが運営する商業施設「ビーノ栄」が昨年11月に開業し、通りを挟んだ角地には2026年開業の当社の複合商業施設の開発が進んでいる。名古屋はマーケットの変化に対応して、柔軟に手を打つ。

WWD:インバウンド(訪日客)消費も蒸発した。

好本:コロナ前の大丸松坂屋百貨店の免税売上高は約600億円あったが、今期(21年2月期)は数十億円まで激減する。インバウンド消費は、中国人の観光客がギンザシックスと大丸心斎橋店で化粧品やラグジュアリーブランドを買うパターンがほとんどだった。今のうちに布石を打ち、中国以外からも富裕層の観光客を呼び、ギンザシックスや大丸心斎橋店以外の店舗にも来てもらい、化粧品やラグジュアリーブランド以外の例えば日本の魅力的な商品も買っていただくようにしたい。コロナの終息次第だが、(4月に発表予定の)次期中期経営計画でも免税売上高は300億〜400億円の回復を見込む。長期的には600億円以上に回復すると見ている。

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