ファッション

“プロデューサー巻き”の次はこれ! セーターをマフラー風に巻く“ニット肩巻き”

 プルオーバーのニットセーターをマフラー風に巻く“ニットの肩巻き”が街に出現しました。かつてはカーディガンを肩に巻く“プロデューサー巻き”がはやりましたが、“ニットの肩巻き”はそのセーター版。このイレギュラーな着こなしは、意外性に加え、落ち感や小顔効果といったメリットもいっぱい。真冬の必需品であるセーターを、遊び心たっぷりに様変わりさせられる新テクニックです。

 例えば、「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」のルックは、同じセーターを2枚重ねたような見え具合。首と肩を覆ったケーブル編みニットがいたずらっぽいムードを醸し出します。首周りが暖かいのはもちろん、デコルテに立体感が備わり、着やせ効果も期待できそう。垂らした袖はマフラーのようで、落ち感を演出。春先まで使える、防寒とおしゃれをダブルでかなえてくれる“ニットの肩巻き”を試してみませんか?

ワンピースに無造作巻き 色を合わせて好バランスに

 印象的な色のセーターを選べば、顔周りのアクセントに役立ちます。「ミントデザインズ(MINTDESIGNS)」はパステルミントのふわふわしたニットセーターを、ワンピースの上から無造作にくるっと巻きました。ゆったりしたワンピースに程よいボリュームが加わり、一段と朗らかな表情に。ほっこりした量感のおかげで、顔周りも優しげに映ります。全体を調和させるコツは、セーターの色をワンピースやスカートにも落とし込むこと。写真のような好バランスに整います。

同系色の“ニットonニット”でこなれ感 片側の肩にずらし掛け

 “首巻き”を組み込みつつ、落ち着いた着映えにまとめるなら、同系色でそろえる“ニットonニット”が効果的です。「アンスリード(UN3D.)」はベージュのニットプルオーバーの上から、同じニットを重ね巻きしました。こなれて見える理由は、わざと片方の肩にだけ掛かるようにずらしているから。あでやかな赤のスカートとの、色味の強弱も際立ちました。同じニットを2枚持っていなくても、近いトーンで合わせる“ずらしワントーン”でニュアンスを出す技も使えます。

縦長レイヤードを強調 袖垂らしがアイキャッチー

 縦に長いイメージを引き出すうえでも、ニットの“肩巻き”は使えます。グレー系のセーターを巻いたのは「ロゼッタ ゲッティ(ROSETTA GETTY)」のレイヤードルック。袖部分を正面に長く垂らしてマフラーのよう。チェック柄のパンツにワンピースを重ねた、細長い着映えのシルエット作りに、リブ編みの“垂らしニット”が一役買ってくれました。首周りのニットが高い位置に視線を引き込み、縦長コーデの印象を強めています。“柄on柄”コーデに“肩巻き”ニットを加えると、たおやかさがアップするのもこのコーデのいいところです。

スエットを垂らしてカジュアルなテイストを強調

 肩からの掛け垂らしに使えるのは、セーターだけではありません。スエットを使えば、カジュアルなテイストで着こなせます。「マニュアル アルファベット(MANUAL ALPHABET)」はスエットトップスを肩掛け。袖はあえて正面で結ばず、だらりと垂らしています。ロングシャツと合わせてレイヤードの落ち感を際立たせました。垂らした袖を遊ばせる掛け垂らしは、ロング丈のカーディガンやライトアウターにも生かせる小技です。

着ている途中? トリッキーな奇想天外コーデ

 “着る”と“掛ける”をミックスしたトリッキーな着こなしも誕生しました。トレンドの先端を行くおしゃれ好きにおすすめです。「アー・ペー・セー(A.P.C.)」のルックは、プルオーバーをかぶった状態で、腕を通さず袖を体に巻き付けました。裾をウエストまで下ろさないことでドレープが生まれて、おしゃれ感がアップ。下に着たセーターとのレイヤードも味わい深い見え具合に。遊ばせた袖のアシンメトリーがこなれ感を印象づける仕掛けです。

 ルールや既成概念にとらわれず、自由な感覚でファッションを楽しみたい人にぴったりな、ウィットフルなスタイリングです。マルチに使いこなすユーティリティー的発想にも通じるアイデア。顔周りにボリュームが生まれる分、小顔効果も期待できる“ニットの肩巻き”。マフラー感覚で冬のおしゃれに取り入れてみてはいかがでしょう。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い