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デジタル開催の「コンプレックスコン」 熱狂は生み出せた?

 米コンプレックス・ネットワークス(COMPLEX NETWORKS以下、コンプレックス)は12月7~11日、ストリートの祭典として世界的に知られる「コンプレックスコン(ComplexCon)」をデジタル開催した。「コンプレックスランド(ComplexLand)」と題し、これまで提供してきた物販やアートインスタレーション、音楽ライブ、フード、パネルディスカッションなどをバーチャル空間で展開した。

 今回は「アディダス(ADIDAS)」「ビリオネア ボーイズ クラブ(BILLIONAIRE BOYS CLUB)」の他に、「グッチ(GUCCI)」や「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ファーフェッチ(FARFETCH)」などが参加。会場内にショップや屋台、自動販売機を設け、ECに連携してスニーカーやウエア、雑貨、食べ物などを販売した。コンプレックスは米JAM3とパートナーを組んで3Dの会場を設立し、「コンプレックスコン」が過去数回開催されてきたホーム的存在である、米ロサンゼルスのロングビーチにあるコンベンションセンターでの体験を再現した。コンプレックスによると、参加者は「コンプレックスランド」で合計320万分過ごし、参加者間でのやりとりは950万回、購買活動は190万回行われたという。

 ニール・ライト(Neil Wright)「コンプレックスランド」コラボレーション・エクスピリエンシャル部門長は、「われわれが成し遂げけたことに対して誇りに思う。『コンプレックスランド』はクレイジーなアイデアで、取り組みながらワクワクした。ビジュアルや作りなど全てにおいて想像を超えてきたし、多くの来場者を迎えることができた。『コンプレックスランド』はわれわれにとっての“ディズニーランド”になりえる」と述べた。

 「コンプレックスランド」の開催のアイデアはアーティストのトラヴィス・スコット(Travis Scott)が自粛期間中に、人気オンラインゲーム「フォートナイト(FORTNITE)」でコンサートを行ったことがきっかけで思いついたという。「画期的でオリジナリティーに溢れた体験で、その瞬間にパッとひらめいた」と語る。

 例年の「コンプレックスコン」と比べて「コンプレックスランド」では、列に並ばないで買い物ができ、参加ブランドはバーチャルのブース自体をリアルタイムで取り替えることもできた。ライトはこれを「『コンプレックスコン』が民主化された」と表現しており、買い物体験に影響を与える割り込み行為などを改善できたと評価する。デジタル開催で懸念されていたボットによる買いだめなどを防ぐ対策も開発された。

 「コンプレックスランド」で「ナイキ(NIKE)」とコラボしたスニーカーなどを販売したゲーム会社のエックスセット(XSET)のグレッグ・セルコー(Greg Selkoe)最高経営責任者(CEO)は、「『コンプレックスコン』の方向転換は素晴らしいことだと思う。ストリートカルチャーを進化させ、デジタル化できることを証明した」と述べた。同スニーカーは発売直後3分で売り切れ、「リアルで『ナイキ』とブースを構え、今回集まったように多くの人が駆けつけていたらきっとパンクしていた」と振り返る。

 また同社のウィル・エディンズ(Will Eddins)共同設立者兼マーチャンダイジング・ライセンシング責任者は、「コンプレックスランド」でパネルディスカッションの機会が設けられたことを評価している。「『コンプレックスコン』ではドロップの準備や会場の規模、ミーティングなどの予定があってパネルディスカッションはできなかった。また人の多さでドロップアイテムにたどり着くことも難しかったが、『コンプレックスランド』では購入ができた。商品に直接アクセスができるし、アップグレードだ」と述べた。

 コンプレックスは、パンデミックの状況次第で「コンプレックスコン」を再度開催する見込みだ。「コンプレックスランド」についてライトは、「このイベントが全く同じく開催されても、それほど面白味はないと思う。仮想であるため年中無休での開催もできるが、特別感を持ちたい。冒険的で没入感も大いにあるが、人々はすぐに飽きて新鮮味も薄れるだろう。今後も何か特別で、格別なものでありたいと思う」と語った。

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