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「洋服に体を合わせなきゃいけないと思っていた」 小柄で胸の大きい人に光を当てた新ブランド

 アメリカを拠点にする新ブランド「パーフェクトDD(PERFECT DD)」の創業者であるアリス・キム(Alice Kim)は、華奢で胸の大きい人の持つ悩みに焦点を当てた商品開発に取り組む。一般的に市場に出回っている洋服を着る際、胸の大きな人はサイズ直しや形の調整をしないときれいに着られないということが日常的に起きる。しかし「パーフェクトDD」はトップスを中心に、そのまま着られる洋服を扱うブランドだ。

 キム創業者は、アメリカで“小柄なアジア人女性”として育つ中で自分の容姿に自信が持てず、体型を隠すように過ごしていたという。身をもってファッションと体型の悩みを理解しており、「私が高校生や大学生だった頃は、自分に合ったサイズのブラジャーがなかった。私のサイズは30F〜32DD(日本のF65〜E70相当)だが、当時の最も小さいアンダーは34(日本の75相当)だった。ずっと洋服に体を合わせなきゃいけないと思っていた。肩幅が合うものは胸周りがきつく、しっくりくる洋服に出会えなかった」と語る。

 「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」やECサイト「ショップボップ(SHOPBOP)」などでキャリアを積んだキム創業者は、自身のリサーチを通して1800万人近くが同じ悩みを抱えていることを知り、約1年前に「パーフェクトDD」を設立。35人の女性からなるフォーカスグループの協力を得てコレクションを開発し、今年11月、アメリカで大規模なセールが開催されたブラックフライデー直前にウェブサイトを立ち上げた。

 「毎日の着こなしは、もっと楽なものであるべき」と考える彼女は、胸の大きな人のためにデザインされたボタンダウンシャツやTシャツ、タンクトップ、スエットシャツを提案しながら、女性がボディー・シェイミング(Body Shaming:体の形や大きさに対して批判、嘲笑、意見すること)を恐れず自身の経験を共有できる場所の提供を目指している。実際に「同じ体型を持つ人なら、何も言わなくても理解し合える。たくさんの愛と感想をいただいており、いろんな人の話を伺うようになった」という。

 またさまざまな感想が寄せられる中、乳房切除術を受けた人からブランドの手掛けるアイテムの着心地や仕立てを評価する声も多いといい、「胸のサイズを念頭においてデザインをするのは新しいコンセプト。たくさんの女性が、自身の悩みや似合う洋服について共有してくれている」と述べた。

 ウェブサイトには、キム創業者の友人がモデルとして登場している。また、オーダーに迅速に対応するため、アイテムは全てアメリカ国内で生産している。新型コロナ禍でのローンチに対して少し不安を感じていた彼女だが、「自粛期間によって、私のコンセプトを確認することができた。消費者はもう理由なしに新しいものを買わず、本当に必要なものだけを買っている。私は今の市場にはない解決策を提示している」と語った。今後スポーツウエアやニットウエア、オフィス向けアイテムの販売を開始する予定だという。

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