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ビューティ×ファッション、ダイバーシティーを体現する リアーナの軌跡

 これまで9つのグラミー賞を受賞し、世界的影響力を持つ歌手兼実業家のリアーナ(Rihanna 本名:ロビン・リアーナ・フェンティ)は、自らのラストネームを冠したラグジュアリーブランド「フェンティ(FENTY)」を筆頭に、ビューティブランドなどを複数持つ。7月にはファン待望のスキンケアブランドを開始し、ビューティとファッションそれぞれの業界で切れ目なく活躍を続けている。

 リアーナは2005年に歌手としてデビューして以来ヒットソングを連発し、個性あふれるセンスからファッションアイコンとしても注目を集めてきた。ファッション業界でのキャリアは11年に「アルマーニ ジーンズ(ARMANI JEANS)」とのコラボレーションから始まっている。同ブランドとは限定コレクションを発表し、同年秋冬の広告キャンペーンにリアーナ自身も登場。さらに翌年は「ヴィクトリアズ・シークレット(VICTORIA'S SECRET)」の名物であるファッションショーにゲスト出演し、パフォーマンスを行っている。

 デザイナーとしても活動を始めたリアーナは、13年にイギリスのファッションブランド「リバーアイランド(RIVER ISLAND)」と限定コレクションを発表し、ロンドン・ファッション・ウイークでデビュー。その活躍はスポーツブランド「プーマ(PUMA)」の目に留まり、クリエイティブ・ディレクター兼グローバルアンバサダーに就任することに。アメリカファッション協議会(Council of Fashion Designers of America、CFDA)が主催してファッション業界のデザイナー、ブランド、メディアを表彰するアワードである「CFDAファッションアワード」で同年、ファッション・アイコン賞を受賞した。

 さらに16年2月に「プーマ(PUMA)」とコラボレートした「フェンティ プーマ バイ リアーナ(FENTY PUMA BY RIHANNA)」のデビューコレクションを発表。ここではメンズとウィメンズウエア、アクセサリーを披露し、各メディアから絶賛されている。また、シューズ界のレジェント「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」との3度にわたるコラボレーションや、「ディオール(DIOR)」とのコラボレーションサングラスも同年に発表している。

 自身のブランドについては、17年に多様性と包括性の追求をミッションに据えたビューティブランド「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」を設立。異例の色展開であらゆる肌の色に対応し、白人主義とされる業界に一石を投じた。続けて翌年ランジェリーブランド「サヴェージ×フェンティ(SAVAGE X FENTY)」を立ち上げた。19年9月にニューヨークで行ったショーではさまざまな人種や国籍、性自認のモデルや、妊婦モデルを起用して多様性を表現し、称賛を浴びた。

 19年5月には有色人種の女性として初めて、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)とパートナーシップを結んで「フェンティ」を立ち上げた。同グループがブランドを立ち上げるのは1987年の「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」以来2度目で、リアーナの名をファッションの歴史に刻むこととなった。その後12月には「ザ ファッション アワード 2019(The Fashion Awards 2019)」でアーバン・ルクス(Urban Luxe)賞を受賞。名実ともにファッション界での地位も不動のものとしている。今年7月には、高級EC「ファーフェッチ(FARFETCH)」で取り扱いを開始し、ブラジルや中東といったこれまで進出していなかった地域へのアプローチにも乗り出した。

 さらに7月末、2年以上の歳月をかけて開発した「フェンティ スキン(FENTY SKIN)」を発売。これまで多様性を表現し続けてきたリアーナだが、スキンケアブランドでは新たにジェンダーレスでさまざまな肌タイプを想定した商品の開発に取り組んでいる。

 ブランドの理念が消費者の購買意欲に大きな影響を与える時代に、リアーナは今やファッション・ビューティ業界をけん引する人物だ。多様性や包括性の実現に取り組みながら業界の新しいスタンダードを築いている。

※ファッション週刊紙「WWDジャパン」はこのほど、ビューティ・コンテンツも加えてパワーアップします。第1弾となる9月7日号では、「ファッション×ビューティの可能性」をテーマに両業界を自在に行き来する業界人を特集します。

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