ファッション

秋冬は躍動感あふれるロングフリンジ! シンプルな服とも好相性

 フォークロアや70年代ヒッピーのトレンドの影響で、フリンジ人気が続いています。この秋冬は、長さがたっぷりあるロングフリンジへと発展。有力ブランドが相次いでロングフリンジで装いを弾ませています。背景にあるのはきれいめやミニマルからの流れ。シルエットは細感を保ちつつ、ロングフリンジで動きを出した“ミニマル+α”のスタイリングが提案されています。

 「ディオール(DIOR)」は、シックなシャツ&ジャケットに艶感のある黒のロングフリンジをスカートのように重ねました。足元は白のコンバット系ブーツを合わせて今年らしく。これまでの“ヒッピー調からアートライク”へ、“部分的な装飾使いから服本体の素材へ”という2大変化がフリンジの新傾向です。モードを牽引する有力ブランドの秋冬ルックから、ロングフリンジの最旬スタイリングを見ていきましょう。

シンプルなワンピースをあでやかに格上げ

 フリンジの色や素材を服地とずらすと新たなムードが加わります。さらに襟回りやひじ先など裾以外の位置にフリンジをあしらったり、長短のフリンジをミックスするのも変化を出しやすいアレンジです。

 「プラダ(PRADA)」はシンプルなタートルネックの装いを多彩なフリンジ使いで弾ませました。裾周りに加えた、ビーズ風の装飾をあしらった色も素材も異なるロングフリンジが表情に富む理由。さらに首周りやひじ先にもショートフリンジを配して、長短の違いを際立たせています。

楽ちんニットをドラマチックに昇華

 腰から下にロングフリンジをあしらうと、歩くたびにダイナミックな動きを生みます。ワントーンの装いにも意外性を与えられる演出です。

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」はマスタードイエローのニットのセットアップを披露。ボディラインにフィットしたしなやかルックを腰下からのロングフリンジでざわめかせています。足さばきで不規則に跳ね動くフリンジが楽しげ。ワントーンの装いに、ビッグバッグとボリュームブーツでアクセントを添えています。

フリンジを“着る”感覚で流れ落ちるシルエットに

 20-21年秋冬で目立ったのは、フリンジをそのまま服地のように操る手法です。もはやフリンジを“着る”という感じ。流れ落ちるような“フリュイドライン”効果が期待できます。

 「ジル サンダー(JIL SANDER)」のロングドレスは、つややかなフリンジだけが見えるアートライクな着映え。黒と白のフリンジは長さが異なり、さらに落ち感が際立っています。体を動かすたびにフリンジのどこかが揺れドラマチックな印象に。フリンジが躍るような感覚に気分が上がりそうです。

フェザー風グラデーションで“きちんとドレッシー”

 極細のフリンジは、まるでフェザー(羽毛)のような見え具合。長さや色のバランスでいっそう優美なムードに整うので、ドレッシーな装いの雰囲気作りに効果的です。

 フェザー風のフリンジをジャケットの裾から垂らしたのは、パリコレの「ビクトリア トマス(VICTORIA/TOMAS)」。細いロングフリンジがまるでドレスのよう。グラデーションの利いた色合いがリズミカルな印象も与えます。端正なジャケットと繊細なフリンジとのコントラストが際立ち、意外感が生まれました。

トップスに組み込み質感ミックス ハイウエスト効果も

 ボトムスの裾にあしらうことが多いフリンジですが、トップスにあしらうタイプも増えてきました。ボトムスと比べて扱いやすいので、ロングフリンジ・デビューにうってつけです。

 「ハイク(HYKE)」のニットベストは胸下からロングフリンジに切り替え。高めの位置からフリンジが始まっている分、ウエスト位置を高く見せるスタイルアップ効果も狙えます。さらに質感が異なるシャツの上から重ねることで、装いに深みももたらしています。シンプルなトップスはもちろん、長袖の柄ワンピースなどの上から重ねるような多彩なアレンジが楽しめそうです。

 ロングフリンジの魅力は落ち感や躍動感にあります。動きや表情に富んでいるので、シンプルな服や定番ウエアに合わせるだけでムードをガラリと変えられます。手持ちのワードローブから新たなスタイリングを引き出せるアイテムといえるでしょう。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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