ファッション

「心斎橋パルコ」20日の開業に先駆けて公開 当面、来店は事前予約制

 J.フロント リテイリング(JFR)とパルコは、11月20日に開業する「心斎橋パルコ」を報道陣に17日公開した。16フロア約4万平方メートルに170店舗が入り、初年度のテナント取扱高220億円を計画する。コロナ感染拡大防止のため、レストランフロアと映画館は来年春に向けて段階的に開業する。他のフロアも開業直後から当面の間、事前日時予約制を採用するなど、慎重なスタートを切る。

 旧心斎橋パルコは、現在、H&Mが出店する心斎橋ゼロゲートの前身として1991年から20年間営業していたが、2011年9月に閉店。昨年9月、大丸心斎橋店本館が建て替えオープンしたのにともない、百貨店だった北館を業態転換し、約9年ぶりに復活する。「ビルまるごとリノベーションし、以前とまったく違うスケールと内容で帰ってきた」と、パルコの牧山浩三社長はアピールする。モード、アニメ、アート、ニュー飲食など昨年11月に建て替え開業した渋谷パルコのエッセンスに加え、隣接する大丸心斎橋店との買い回りも促す。大丸心斎橋店本館とは9フロアで接続されており、行き来がしやすい。
 「伝統と革新」をテーマに、外壁は新たにドレープの意匠を用いて一新した。クラシックなヴォーリーズ様式の大丸心斎橋店本館とは対照的に未来を表現している。館内各所に配置したパブリックアートにも新旧のアートの対比を楽しめる。例えば、13階レストランフロアには、建物がそごうだった時代(1935〜2009年)に飾られていた鶴丸梅吉作のモザイクアートと、旧渋谷パルコの外壁に設置されていた五十嵐威暢氏デザインのネオンサインを並列展示する。14階の吹き抜け空間では、渋谷パルコでも展示されている、AR(仮想現実)を活用したバーチャルインスタレーションアートにも触れられる。

 「デジタルの時代にリアル店舗の心斎橋パルコにあえて行きたいと思ってもらえる要素をいかに作れるかがポイント。関西ではここにしかないアートと、バーチャルを含めた情報提供が、心斎橋パルコの役割と考えている」(牧山社長)。

 館内は「モノ」「コト「テクノロジー」「アート/カルチャー」の4つのテーマで展開されている。ファッション関連は主に1〜3階に出店。ラグジュアリーモードを集積する1階「インターナショナルゲート」には、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の旗艦店をはじめ、関西初出店の「グラウンド ワイ(GROUND Y)」「ポーター エクスチェンジ(PORTER EXCHANGE)」、心斎橋初の「サカイ(SACAI)」などが軒を連ねる。御堂筋に面する「エルメス(HERMES)」と「グッチ(GUCCI)」は大丸心斎橋店が運営する。

 2階「ラグジュアリー・ジャパンモード」では、「カラー(KOLOR)」「ファセッタズム(FACETASM)」が関西初出店したほか、アート、トイ、ファッションが連動した新しい形のスタジオ「2G」の2号店も出店する。さらに「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」が表参道店に次ぐ2号店となるカフェ業態を出店した。3階「エレガンススタイル」には、「コーチ(COACH)」の旗艦店など手ごろな価格のインポートブランドと感度の高い国内ブランドを集積。4階「ファッション&カルチャーパーク」には、大阪を代表する老舗喫茶店「丸福珈琲店」とコミュニティ創出書店「スタンダードブックストア」によるコラボ店舗が登場した。パルコが直営する初のコミュニティ型ワーキングスペース「スキーマ」には、ライブコマースにも活用できる配信スペースやギャラリーが併設されている。

 他には、体験型ジャパンカルチャーを集積した6階「ポップカルチャーシンサイバシ」や、カルチャースクールも運営する体験型書店「天狼院書店」が入る「東急ハンズ」(9〜11階)、関西のこだわりの食物販や人気飲食店11店舗とコスメが集積する地下1階フロアにも人気を集めそうだ。

 パルコとしては全国18店目。渋谷パルコ、名古屋パルコと並ぶ基幹店。JFRにとっても高収益モデルを確立する礎になると期待する。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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