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即完売のコスメブランド「リーカ」を手掛けるヘアメイク松田未来の“共感力”とは?

 コロナ禍の巣ごもり需要で“おうち美容”が盛り上がっているが、ネイルも同様に、ジェルネイルからセルフネイルに移行する人が増えており、ネイルポリッシュが再び注目されている。SNSでは大手メーカーに並び、ヘアメイクアップアーティストの松田未来が今年2月に立ち上げた「リーカ」のネイルが話題を集めている。彼女の人柄やセンスに共鳴するファンが多く、入荷したら即完売といった人気ぶりだ。さらに、9月に発売した自身初となるエッセイ本も好評を博している。ヘアメイクをはじめブランドプロデューサー、ラジオのパーソナリティーと幅広く活躍する彼女の仕事のあり方や書籍について話を聞いた。

WWD:ヘアメイクアップアーティストを志したきっかけは?

松田未来(以下、松田):中学生の頃に初めてパーマをかけた時の気持ちが忘れられず、今の仕事につながっています。可愛い髪型になった自分を見たあの瞬間、外見も内面も自信がついて自分のことを好きになれた。その経験が原点にあり、美容を通じて希望を持てる人が増えたらどんなに素敵なんだろうと美容の道に進みたいという気持ちが募り、専門学校卒業後に就職したサロンには11年勤務しました。そこではディレクターも店長も経験させていただいたのですが、もっと違う形の美容で、世の中に“還元したい!”と思い、ヘアメイクアップアーティストになる決意をしました。

WWD:ヘアメイクアップアーティストとしてのキャリアを積む中、今年2月には自身のコスメブランド「リーカ」を立ち上げ、瞬く間にSNSで話題に。ネイルは入荷すると即完売になるほど人気を博しているが、なぜ最初のプロダクトがネイルだったのか?

松田:それまでジェルネイルをしていたのですが、ジェルネイルを落としては、乾燥している爪にまた色を塗ってを繰り返していたので、素の爪がきれいな女性に憧れていました。そこで、ネイルサロンに行ってすっぴんの爪を整えてもらったんです。甘皮を処理し、爪の形を整え、透明のベースコートを塗っただけの自分の小さなパーツなのに、自信がもてました。

ブランドを立ち上げる際は、本来はわかりやすいアイテム、例えばブランドを象徴するアイテムとしてあげられるようなリップからがセオリーだと思っていました。ただ、自爪を整えた、あの時の感動が根幹にあったため、爪が美しいということはパワーがあるということを提案したかったのがきっかけです。

WWD:こだわったところは?

松田:“わたしが好きなこと”をテーマにしたカラーネームをつけたところです。容器にもこだわっているのですが、入手が難しいので、完売してから再販するまでにお時間をいただいている状態です。

WWD:ヒットしている理由をどのように捉えているか?

松田:タイアップもプロモーションもしていなく、タレントの方に依頼して拡散したわけでもないので、モノが売れない時代なのに売れているのはありがたいことですね。私のSNSも特徴的なフォロワー数を抱えていないので……。ただ、フォロワーの方と信頼できる関係性を築けているからかもしれません。

私自身、嘘がつけない性分なので、インスタグラムでPRの依頼があっても受けていません。自分が本当に良いと思ったモノを忖度しない紹介の仕方をしているので、共感していただけているのだと思います。私が紹介するコスメにフォロワーの方が考えてくれた#ミラマドコスメとタグをつけてみんなでシェアしてくれているのも嬉しいですね。そういったコミュニケーションの場があるので、ブランドを立ち上げたときにも、私が本当に作りたいと思っているんだなと感じてもらえたのだと思います。

WWD:ブランドデビューを果たし、さらに9月には初のエッセイ本を発売した。どういった内容か?

松田:講談社が運営していた「ホリックス」(現在サービス終了)で連載していたコラムを編集した内容になっています。「明日になるのが楽しみ」「私って、いいじゃん!」と思えるようなテーマを取り上げていた連載をベースにしていますが、美容論だけではなく、仕事をする上で感じたことや仕事柄で身についたコミュニケーションの力なども収録しているので、男性にもぜひ読んでいただきたいです。季節ごとにそれぞれのテーマに沿ってカテゴライズしているので、読者の皆さんが好きなところから読んで楽しんでいただけたら嬉しいです。装丁も控えめなデザインにしているので、最近元気がない子や忙しいあの人など相手のことを想像しながら、気使いの一つにギフトとして使ってもらえたらなと。いつかこの本をドラマ化するのが夢です(笑)。

WWD:ヘアメイクをはじめ、ブランドプロデューサーやアパレルコラボ、執筆、さらにはラジオのパーソナリティと幅広く活躍している。

松田:ラジオはタイミングよくお声がけいただいて。内容も、「未来さんが楽しめる番組だったらいいよ」と任せてもらえたので、リスナーの方の好きなものが増えたり、明日から取り入れてみようかなと思えるような話をしています。仕事柄、コスメブランドのキャラバンでブランドの歴史や商品の素晴らしさを聞くことが多く、これは私だけ聞くのはもったいない、全国に発信した方がいい!と思い、ゲストにPRの方を呼ぶこともあります。自分がワクワクしたり楽しいなと思えることは、どんどん皆さんにお伝えしたいですね。

WWD:今後チャレンジしたいことは?

松田:「リーカ」のアイテムを拡充したいです。“こういうのが欲しいのにどこにも売っていない!”というアイテムを作りたいと思っています。日々、初心忘れるべからず、自分が作りたいもの、お客さまにとって良いものとは何かを考えながら、あぐらをかかないようにしたいですね。長くずっと愛されるようなブランドに育てていきたいです。

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アウトドア消費の現在地と未来 ブームは一過性か、それとも日常に定着するか

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