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ワコールHD、4〜9月期は黒字確保 ECと経費削減で計画上回る

 ワコールホールディングス(HD)の2020年4〜9月期連結業績(米国会計基準)は、売上高が前年同期比27.9%減の731億円、営業利益が同86.6%減の12億円、純利益が同73.3%減の17億円と大幅減収減益だった。コロナ禍による業績悪化からの回復が国内外ともに緩やかだったものの、7月に発表した予想に対して売上高、営業利益、純利益ともに上振れし、黒字で着地した。

 計画値を上回った要因は、7〜9月期に国内外のワコール事業が8割超の水準まで回復したことに加え、高成長を続けるECが売上高に寄与したことが大きい。自社EC売上高は巣ごもり消費によって国内ワコールで4〜6月期に前年同期比91%増、7〜9月期に同44%増、米国ワコールも同63%増と高い水準を維持。その結果、売上高が予想より26億円超過した。さらに、営業利益は計画比で44億円増えた。売上原価率が44%と想定より2.5ポイント改善したのに加え、グループ各社で経費削減が進み、雇用調整助成金などの支援策を活用したことで黒字を確保できた。

 ピーチ・ジョン事業は前期の構造改革が実り、連結業績に貢献した。自社ECの好調に加え、営業再開した店舗も堅調に推移した結果、4〜9月期の売上高は58億円で同6.3%の増収。「昨年度からヒット商品が続き、主力の3本柱が売り上げを押し上げたほか、旬のタレントを起用したマーケティングが奏功したこと、品番を3割削減したことで販売効率が改善された」と、同社の安原弘展社長は説明する。ピーチ・ジョンのEC部門は新規客が増え、前年同期比で50%増、EC化率は61%に上昇した。営業利益は同1億円増の10億円。増収効果に加え、不採算店の閉店やカタログの廃止などで営業利益率は1.8%から18%に大幅改善された。

 21年3月期の計画は、売上高が前期比16.5%減の1560億円、営業損益は10億円の赤字を見込む。感染症再拡大の懸念など先行き不透明感を考慮し、売上高は7月31日に発表した計画より20億円少なく見積もる。「市況はECが好調だが、店頭が一定水準以上なかなか戻らないので当初より慎重に見立てている」(安原社長)。一方、4〜9月期の回復具合を鑑み、営業利益は計画に比べて40億円の改善を予想する。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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