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コスメのベストセラーの理由教えます! 「ラサーナ」編

 ドラッグストアやバラエティーショップで取り扱われているアイテムにはロングセラー商品が数多く存在する。なぜ安定した売り上げが続いているのか、何をきっかけに人気に火がついたのかなど、毎回、一つのブランドをピックアップ。ブランド誕生から現在までを振り返りながら、ブランドのターニングポイントとなった出来事について探っていく。

“洗い流さない”という手軽さでアウトバストリートメント市場をけん引

海藻にこだわったヘアケアを中心にスキンケア、アロマ、入浴剤など幅広いアイテムを展開するブランド「ラサーナ」。現在、全国のドラッグストアと一部バラエティショップの約1万7000店舗で取り扱っているが、実はブランド誕生の1979年当時は訪問販売と通信販売でスタートしていた。

 「化粧品メーカーとしてヤマサキを創業した当初は訪問販売から始めていたが、多くのお客さまと接するうちに、女性をより美しくする商品作りへのこだわりが日増しに強くなった。そこで、イタリア語で“健康的で美しい女性”という意味を持つ『ラサーナ』をブランド名にし、全ての女性に“健やかな美”を提供し続けたいという思いを形にするため、ブランドが誕生した」とヤマサキ・マーケティング部中村朝美氏は話す。また、“海藻コスメブランド”をうたうほど「ラサーナ」は海洋成分へのこだわりが強く、「昔から髪の毛に良いといわれ続けていた海藻に着目して開発した。中でもタラソテラピー発祥の地としても知られる、フランス・ブルターニュ産の海藻のエキスをブランド全商品に配合している」という。

 ブランド誕生時は女性をターゲットに「ラサーナ 海そう クリーム シャンプー&リンス」を発売したが、訪問販売と通信販売のみにもかかわらずこれまでの顧客を中心に支持を集め、約1億円を売り上げた。その後、84年にスキンケアへ参入して「ラサーナ クレンジング パウダー」を発売、94年にダメージヘアケア用のシャンプー&トリートメントを発売するなどしたが、98年の洗い流さないヘアトリートメント「ラサーナ 海藻 ヘア エッセンス」の登場が売り上げの転機となった。「当時は、“洗い流さないトリートメント市場”はまだ存在しておらず、当社が先駆けて発売。90年代は“茶髪ブーム”が到来していた影響で若年層を中心に、脱色などで明るいヘアカラーを楽しむ人が増えていた。そんな時代背景を踏まえ、“洗い流さない”という手軽に使えることに加えて、ダメージヘアケアの効果をすぐに感じられる使用感が人気となりブランド史上最大のヒット商品となった」。また、“実感品質”を掲げて無償の試供品サンプルを多く提供。「お客さまに納得してから商品を購入してもらう販売戦略の効果もヒット理由の一つ」と述べる。

 「ラサーナ 海藻 ヘア エッセンス」の発売後は、アウトバストリートメント市場を先駆けて作り上げ、売り上げも年々右肩上がりで伸長してアウトバストリートメント累計販売本数1800万本突破(2019年11月末時点)、今では国内売り上げ12年連続No.1(2008-2019年実績「化粧品マーケティング要覧2009-2020」、アウトバストリートメントにおいて、ラサーナブランドとして・富士経済調べ)を獲得している。今後についても、「市場をけん引し、市場全体を現在の270億円から300億円に伸ばしていきたい。さらに店舗展開についても、本社がある広島県はプロモーションや複数の売り場での展開など販売モデル店となっている店舗が多いため、同様の販売モデル店舗を全国にも広げていく」と意気込む。

ここがターニングポイント!

 “洗い流さないトリートメント”がほとんどない1998年に、いち早く「ラサーナ 海藻 ヘア エッセンス」を登場させた。発売後はその手軽さとその効果実感でたちまち人気に。また、これまでの「ラサーナ」の購買年代層は高めだったが、ドラッグストアの店頭販売やWEB販売も開始し比較的若年層にも購買層が広がった。

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