ファッション

動画プレゼンで「エルメス 」勝利の理由 エディターズレター(2020年7月10日配信分)

※この記事は2020年7月10日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

動画プレゼンで「エルメス 」勝利の理由

 案の定、「エルメス」2021年春夏メンズのデジタル・プレゼンテーションは、なかなかでした。オートクチュールの動画配信はまだ全てを見てはいませんが、今のところ「エルメス 」がベスト。以前のメルマガでお伝えした通り、理由は「取捨選択」です。

 発表したルックは、全部で27。半年前が45、1年前も45ルックでしたから、すでにこの段階で取捨選択できています。そして映像は、あくまで僕の印象ですが、「キーアイテムを伝えよう」「ちょっとしたスタイリングで、気分まで変えられることを伝授しよう」「メゾンの雰囲気を表現しよう」そして「コンテンポラリーであることを伝えよう」の4つが目標(とみました。いかがでしょう、「エルメス 」さん?)。それらを、パンツインもできるシャツジャケット、ヴェロニク・ニシャニアンによるスタイリング、透明感ある画面、案外ロック&パンクな音楽、そして、会社という撮影場所などで表現しています。8分強のムービーで4つ、というのは、ちょうどいいボリュームです。

 というか、ちゃんと目標を決められたところがスゴいんですよね。私たちも動画を作ったり、ライブ配信に挑戦したりしていますが、油断すると「作ること」「無事配信を終えること」が目標になってしまい、「で、何のためにやってるんだっけ?」に陥りがち。ことブランドは現在、「デジタル・ファッション・ウイークに参加する」から「動画を作る」というマインドになりがちです。そこを突破しているだけで、日々動画やライブ配信のことを悶々と考える私からすると、大したモンであります(上から目線w)。

 弊社の場合、それに陥らないポイントは、「編集・記者が台本を書くこと」だと思っています。コレは「WWD JAPAN.com」編集部に異動してきた2年生に言い続けていますが、「台本を書くことは、記事を書くことと全く同じ。誰に、何を、どうやってを考えることが必要。手段は違うけれど、目的は同じ」なのであります。どうも弊社でも、「台本を書くのは、専門家」とか「私たちは、高尚な記事を書くエキスパートだから」という勘違いが存在するようで、危惧しております。

 印刷する記事を執筆する代わりに配信する動画の台本を書くことは、店頭で売る代わりにECで売ることと同じだなぁ、と感じています。

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