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「メイベリン」が新作ファンデの発表会をオンラインとリアルで同時開催

 新型コロナウイルスの影響で大勢の人が集まるのが難しくなっている中、化粧品の新作発表会にも変化が訪れている。これまではイベント会場を貸し切って美容家や美容エディター、インフルエンサー、その他関係者を招待して新作を披露することが一般的だったが、現在はZoomやユーチューブなどを用いたオンライン発表会に切り替えるブランドがほとんどだ。しかしオンラインだと今までのようにダイレクトなコミュニケーションが取れない、また製品もSNSで発信してもらえない、通信の不具合によるシステムのトラブルが起こりやすいなど、オンライン発表会の難しさを感じているブランドも少なくないだろう。そんな中「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は7月30日に新作ファンデーション「フィットミー リキッドファンデーション R」の発表イベントを、リアルでは天王洲で開催し、オンラインではその様子をライブ配信した。リアルとオンラインの同時開催は、オンライン発表会が増えている化粧品業界でも稀だ。今回「WWD Japan.com」編集部は「メイベリン」のオンライン・オフライン発表会双方を取材した。企画の意図やそのこだわりとはーー。

リアル会場には徹底的な感染防止策を

 会場は、天王洲アイルに浮かぶ船「T-LOTUS M」。3階建てで広々としている会場もこだわった点の一つだそう。遠藤由貴「メイベリン ニューヨーク」シニアPRコーディネーターは「人のいる空間をしっかり分けて、“密”を避けられる会場にした」と説明する。検温や消毒、ソーシャルディスタンシング、マスクの着用を徹底したほか、ゲストには受付で感染対策のガイドラインを読むように指導。通常の発表会だとメイクアップアーティストが来場者に対してタッチアップすることも多いが、今回はタッチアップは行わずセルフで製品を触れるブースを設けた。またタブレットも配置し、製品を触りたくないゲストのためにバーチャルで試せるように配慮した。

メイクアップショーや実験をライブ配信

 今回発表した「フィットミー リキッドファンデーション R」(全15色、各1600円)は、「メイベリン」の中でもベストセラーとなっている「フィットミー」シリーズのマットタイプをリニューアルしたもの。ドラッグ・バラエティーストアブランドでは最多の15色展開で自分の肌にぴったりなシェードが見つかるというコンセプトでこれまで人気を集めており、その“ぴったりな色選び”のハウツーを、今回メイクアップデモンストレーションで行った。会場には複数台の動画カメラを用いてオンラインでもその様子を生配信し、質問などはチャットで投函できるようにした。また、パワーアップした処方はクレイ由来成分を配合し、油分をコントロールして崩れにくいのが特徴だ。この“崩れにくさ”を分かりやすく伝えるための実験も行い、研究開発担当をオンライン会議でつないで解説も添えた。遠藤・シニアPRコーディネーターは「プレゼンテーション中は画面の向こうで参加されている方にも話しかけるように心掛け、遠隔でもライブの臨場感を味わってもらえるように工夫を凝らした」という。
 
 「なかなか画面上だけだと製品やブランドの世界観をフルに伝えることが難しいことから、今までのようなオフラインでの発表会の開催を決めた。一方でこのような状況下で、オンラインで参加したい人もいると思い、会場の様子を生配信するといった、ハイブリッドでの発表会に挑戦した。オンライン、オフラインどちらの良さを生かし、結果的にはどちらにもバランスよく参加していただけた。『メイベリン』は世の中の女性にポジティブなエネルギーを与えるブランドとして、既存の考え方にとらわれず今後も新しいアイデアに挑戦し続けたい」と遠藤・シニアPRコーディネーター。

 新型コロナウイルスの影響で新作の発表会が急速にデジタルシフトしたが、同時にリアルなコミュニケーションの良さも改めて感じるきっかけにもなっていると言えるだろう。新型コロナウイルスの完全なる収束が見えない中、今後もうまくデジタルとリアルを活用するブランドが増えそうだ。

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