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「ルイ・ヴィトン」親会社のCEO、旧友の息子を支援 仏コングロマリットの株式27%取得

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)は、アルノー一族の持株会社グループ アルノー(GROUPE ARNAULT)がフランスの持株会社ラガルデール・キャピタル・アンド・マネジメント(LAGARDERE CAPITAL & MANAGEMENT)の株式を27%取得することを発表した。取引は9月上旬に成立する予定。

 ラガルデール・キャピタル・アンド・マネジメントは、「エル(ELLE)」誌のライセンスや写真週刊誌「パリ・マッチ(PARIS MATCH)」を保有する出版事業やトラベルリテール事業などを展開するコングロマリット、ラガルデール グループ(LAGARDERE GROUP)の親会社だ。ここ数カ月間は、ラガルデール グループの大株主である仏メディアグループのビベンディ(VIVENDI)とアクティビストファンド(物言う投資家)のアンバー・キャピタル(AMBER CAPITAL)が、役員の入れ替えなどを求めて圧力を強めていた。

 ラガルデール グループの創業者である故ジャン・リュック・ラガルデール(Jean-Luc Lagardere)氏と、アルノー会長兼CEOが親しい友人だったことから、両家は以前から深い親交がある。アルノー会長兼CEOはラガルデール グループの監査役を2004〜12年に務めており、その後は同氏の長男であるアントワン・アルノー(Antoine Arnault)LVMHヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージが12〜13年にやはり同グループの監査役を務めた。またラガルデール創業者の息子で、現在同グループを率いるアルノー・ラガルデール(Arnaud Lagardere)CEOは、03〜09年にLVMHの社外取締役を務めている。

 アルノー会長兼CEOは、「今回の株式取得により、長年にわたる両家の深いつながりが具体的なものとなった。出版とトラベルリテール事業を核とするラガルデール グループに携わることができてうれしく思う」との声明を発表した。ラガルデールCEOは、「グループ アルノーによる投資を歓迎する。当社の意欲的かつ持続性のある戦略を長期的に支援してくれるだろう」と述べた。

 グループ アルノーは、投資ファンドを通じて仏スーパーマーケット、カルフール(CARREFOUR)の株式をおよそ16%保有している。またアルノー会長兼CEOは、LVMHが擁する投資会社などを通じて仏紙「ル・パリジャン(LE PARISIEN)」や「レ・ゼコー(LES ECHOS)」のほか、仏ラジオ局などにも投資している。

 ラガルデール グループの20年1〜6月期決算は、コロナ禍の影響でトラベルリテール事業が打撃を受けたことにより、売上高は前年同期比37.1%減の20億8800万ユーロ(約2630億円)と大幅な減収となった。同社は11年には「エル」誌など15カ国で発行していた102の雑誌を米ハースト マガジンズ(HEARST MAGAZINES)に、18年にはマリ・クレール(MARIE CLAIRE)の株式42%をその親会社であるマリ・クレール・グループに売却している。

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