ファッション

東コレのショー中止で105ルックをウェブで公開 ピンチをチャンスに変える「ノントーキョー」の挑戦

 市毛綾乃による「ノントーキョー(NON TOKYO)」は、2020-21年秋冬コレクションをオンライン上で発表した。本来は3月17日に「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」内でファッションショーを開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響から中止が決まったことで発表形式をルックブック撮影に変更。ファッションショーでは約30ルックを発表予定だったものの、中止に伴い展示会や店舗に足を運べない顧客へ配慮して、約50型の商品から105ルックのコーディネートを組む形にパワーアップさせた。スタイリングは「ノントーキョー」のディレクションを手掛ける中川瞬が担当した。

 20-21年秋冬コレクションは「アクティブ レジャー」がテーマ。市毛デザイナーがプライベートでレジャーを楽しむときに感じた必要なファッション性から着想を得て、キャンプやヨガなどのスポーツやアウトドアの要素を取り入れた。今季からメンズウエアも本格的にスタートし、初めてメンズモデルを起用。これまでフリーサイズでの提案が多かったが、今季は2サイズに増やして、女性も男性も着用可能な商品幅を広げた。

手描きのグラフィックで
“地球の危機”を訴える

 「ノントーキョー」は前シーズンから再生繊維を積極的に採用するなど、サステナビリティを意識した取り組みも始めている。「地球と共存していくために、毎シーズン私たちにできることを考えている」と話す市毛デザイナーは今季、ペットボトルからできた再生ポリエステルを利用したコートを発表した。撥水素材でリバーシブルで着用でき、コンパクトに収納可能なパッカブル仕様になっている。さらに、グラフィックデザインでも環境問題を意識。地球を溶けたアイスクリーム見立てた絵や、スイカ割りのように地球を割っている絵、大量のごみ袋をプレジデントデスク(大統領の机)に載せたものなど、インパクトのあるイラストと共に地球の危機を訴えた。全てのグラフィックは市毛デザイナーの手描きによるもの。

 3月17日からビジネス関係者に向けた展示会を開催する。3月末には一般客に向けた受注販売を「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」と「シーナウトウキョウ(SEENOWTOKYO)」のオンライン上で開始する。

 「ノントーキョー」は上海ファッション・ウイークでの展示会も予定していたが、新型コロナウイルスの影響でのウイーク中止に伴い、渡航をキャンセル。日本国内の地方セレクトショップのバイヤーが出張を控える動きも出ており、展示会に来場できないバイヤーにはルックやディテール画像、商品詳細を送って対応するという。

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