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資生堂、25年12月期は2期連続の最終赤字 26年は復活へ「準備は整った」

資生堂の2025年12月期連結決算(国際会計基準)は、売上高が前期比2.1%減の9699億円、本業のもうけを示すコア営業利益が22.4%増の445億円だった。純損益は406億円の赤字(前期は108億円の赤字)と赤字幅が拡大した。最終赤字の規模は01年3月期に次ぐ大きさとなった。

藤原憲太郎社長CEOは「25年は単なる構造改革の年ではなかった。将来の飛躍に向けた最も重要な基盤構築を完了させた年だ」と総括した。あわせて「痛みを伴う改革を断行し、ワンチームで成果を生み出す会社へと組織体制や企業文化の変革にも取り組んできた。その結果は数字に表れている」と述べた。

事業別では、日本事業の売上高は同0.4%増(実質0.7%増)の2953億円、コア営業利益は同50.6%増の389億円だった。12月以降、中国人旅行者数の減少でインバウンド需要は鈍化したが、日本人客需要は緩やかな成長を維持。「シセイドウ(SHISEIDO)」などのコアブランドが伸長し、3年連続でシェアを拡大した。ECも顕著に成長した。

上期に刷新した「シセイドウ」の新“アルティミューン”が伸長を続けたほか、同“エッセンス スキンセッティング パウダー”や「エリクシール(ELIXIR)」のシワ改善クリーム"エリクシール レチノパワー リンクルクリーム ba S”も好調だった。インバウンドは厳しい環境が続いたが、「エリクシール」と「イハダ(IHADA)」は旅行者向けデジタル広告の強化により堅調に推移した。

中国・トラベルリテール事業の売上高は同4.3%減(実質3.5%減)の3422億円、コア営業利益は同10.4%減の645億円。中国の「W11」では値引き競争が続いたが、市場を上回る成長となった。中国の顧客購買は1ケタ前半の成長を維持し、ECを中心にシェアが拡大した。中でも「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」「ナーズ(NARS)」は通年で堅調に推移した。トラベルリテールは厳しい環境が続くが、海南島では回復の兆しがみられたという。12月には日中関係悪化の影響が一部購買に及んだが、同期売上高への影響は限定的だったとしている。

米州事業の売上高は同10.1%減(実質9.5%減)の1065億円、コア営業損益は115億円の赤字(前期は92億円の赤字)だった。リブランディングに向けた在庫整理を進めた「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」が減収となったほか、「ドクターデニス グロススキンケア(DR.DENNIS GROSS SKINCARE)」も低価格帯商品との競争激化の影響を受けた。

2026年は「成長を確実に実現する年」

藤原社長CEOは26年を「改革の年ではなく、成長を確実に実現する年」と位置づけ、「準備は整いました」と強調した。今年市場に投入する新製品数と売り上げ規模は前年対比で20%増を予定する。グローバル共通のコアブランド(「シセイドウ」「クレ・ド・ポー ボーテ」「ナーズ」)とヒーロー商品を軸にロイヤリティーを高め、各ブランドの独自技術を生かして市場シェア拡大を図る。

「シセイドウ」は、「世界で勝ち切るための共通エンジンを最も体現するブランド」として成長を再加速させるヒーロー商品の継続強化を軸に、日本・アジアでは好調が続くファンデ美容液などメイク領域の強みを生かし、さらなるシェア拡大を狙う。

「クレド・ポー・ボーテ」は最先端技術搭載の新商品を投入し、ラグジュアリー市場での存在感を高める。「ナーズ」は「ブランド史上最大規模」と位置づける“ナチュラル ロングウェア ファンデーション”(3月20日発売)を軸に販売拡大を図る。

藤原社長CEOはフレグランスを「非常に楽しみな領域」と期待を寄せる。各ブランドで新商品を投入するほか、下期には「マックスマーラ(MAX MARA)」のフレグランスを発売する予定だ。

26年12月期は日中関係悪化の影響を1〜3月期まで織り込むが、「コントロールできるところでコントロールする」(廣藤綾子CFO)として収益管理を徹底する。生産・物流体制やオフィスの最適化などに100億円を投じる計画で、「次の成長段階に向かうための重要な年」と意気込む。

26年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比2.1%増の9900億円、コア営業利益が55%増の690億円、純利益が420億円の黒字(前期は406億円の赤字)を見込む。

26年は30年に向けた中期経営戦略の初年度となる。藤原社長CEOは「不透明な外部環境はあるが、これまでの改革で地域・ブランドポートフォリオと経営基盤は強化された。財務規律や機動力を生かし、業績目標を確実に達成し、30年の目標につなげる」と述べた。

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