ファッション

西洋と東洋の融合を掲げ創業したユナイテッドアローズ 「和文化グランプリ」に「UA賞」新設

一般社団法人日本和文化振興プロジェクトによる「第5回 日本和文化グランプリ」の授賞式がこのほど、東京・六本木の国際文化会館で開催された。今年は協賛企業による企業賞として「ユナイテッドアローズ賞」が新設され、森工芸による「RAYS PLATE 藍漆」が同賞を受賞した。

同プロジェクトは、ユナイテッドアローズ創業者の重松理・名誉会長が設立に携わり、日本の伝統文化と現代の技術・芸術を融合させた取り組みを顕彰している。審査員長の三田村有純東京藝術大学名誉教授はじめ、審査員にはLVMHモエヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパンのノルベール・ルレ(Norbert Leuret)社長やモデルの秋元梢らも参加する。

今回「ユナイテッドアローズ賞」を受賞した「RAYS Plate Round 藍漆」は、木材を薄くスライスしたツキ板を貼り合わせ、中心から放射状に広がる光線のような模様を描く「光線貼り」の技法を用いた丸皿。藍と漆を掛け合わせた「藍漆」で仕上げ、藍染め由来の深い青色に漆特有の艶が重なり、光の角度によって表情が変化するのも魅力だ。「ユナイテッドアローズ賞」受賞においては、工芸品でありながら日常使いを前提とした実用性を備えている点が評価された。

ユナイテッドアローズは第3回から同プロジェクトに特別協賛として参画。重松名誉会長は、「そもそもユナイテッドアローズは西洋と東洋の融合を掲げて創業した。今、より足元を掘り下げ、残すべき和文化を次世代に継承する活動に意義を感じている」と話す。創業時の思いを引き継ぎ同社は、今年4月に原宿旗艦店を衣・食・住を横断した最高級のライフスタイル提案を掲げる新業態「タバヤ ユナイテッドアローズ(TABAYA UNITEDARROWS)」にリニューアル。和文化の発信も重要な柱に据え、今回の受賞作を含め、森工芸が手掛けるさまざまな木工作品を販売する計画だ。

森工芸のツキ張り職人、森寛之は「これまでとは異なる層の生活者に作品を手に取ってもらえる機会になることに期待している」とコメントした。

なお、グランプリには能登地震の被災地復興を目的とした「工藝的復興」活動「小さな木地屋さん再生プロジェクト」が輝いた。

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