ファッション

ユナイテッドアローズ原宿本店が刷新 “最上級の衣食住”を提案

ユナイテッドアローズは23日、原宿本店をリニューアルした「タバヤ ユナイテッドアローズ(TABAYA UNITEDARROWS)」をメディア向けに先行公開した。「これからのユナイテッドアローズの象徴となる店」と位置付け、ファッションのみならず衣食住全般にこだわりを持つ、高感度の大人層をターゲットとする。開店日は4月25日。

「史上最上級のユナイテッドアローズ」を表現

「史上最上級のユナイテッドアローズ」を掲げ、商品ラインアップから内装に至るまで、同社が考える“最上級”を詰め込んだ。「タバヤ」という名称は、社名にも込められている「ひとつの目的に向かって直進する矢(ARROW)を束ねた(UNITED)もの」のを意味し、創業当初から理念として大切にしてきた考え方だ。同社のロゴにも表現されており、その精神を象徴する言葉を店名に冠した。また深い蒼の色を“タバヤブルー”とし、ショッパーや同店の限定商品などにも採用した。

地下1階のアパレルフロア、1階のギャラリー併設の飲食フロア、2階の生活雑貨や工芸品を中心としたフロアで構成し、ユナイテッドアローズが考える“豊かな暮らし”を包括的に提案する。ディレクションを担当した田村麻衣子UA本部ウィメンズ商品課TABAYA課課長は、「駅から離れた立地だからこそ、わざわざ足を運んでくださったお客さまに、最高の時間を過ごしてもらえるよう意識した」と語る。同店のコンセプトに共感するスタッフを社内公募し、強みのおもてなしを提供する。

3フロアそれぞれで衣食住を提案

地下1階は自然光が差し込む京都の町屋を思わせる空間で、ウィメンズとメンズのウエアを中心に展開。「日本が影響を受け、また影響を与えているブランド」を軸に、取り扱いブランドは従来の半数程度に厳選した。「セッチュウ(SETCHU)」「サカイ(SACAI)」「シーエフシーエル(CFCL)」「オーラリー(AURALEE)」「コモリ(COMOLI)」「ミオ ハルタカ(MIO HARUTAKA)」「ロエベ(LOEWE)」「ザ・ロウ(THE ROW)」「メゾン・マルジェラ(MAISON MARGIELA)」など、国内外のブランドに加え、日本の産地と協業して開発したオリジナルウエアもそろえる。

1階の飲食スペースは従来の20席から37席に拡充し、ゆったり時間を過ごせるようにした。恵比寿の洋菓子店「レス(LESS)」と提携したカフェメニューのほか、ランチ、ディナー、アルコール類も用意する。

入り口のアネックス棟は新たにギャラリースペースとし、月替わりで国内外のアーティスト作品を展示する。初回は「伝統的な和文化の形成に大きな影響を与えた」とされる、韓国の白磁をテーマに据え、伝統工芸作家のパク・ソングク氏、キム・ソヨン氏、ホン・ドゥヒョン氏ら7人の作家による作品の展示販売を実施する。

2階は「住」をテーマとし、工芸品や美術品、骨董品、生活雑貨を取り扱う。田村課長は「伝統工芸の魅力を再発掘することが第一の目的ではない。あくまで世界の中で1番かっこいいものを集めたら伝統工芸だった」と強調する。「ロエベ」などともコラボする茶筒ブランドの開花堂や、木村硝子のグラス類、中川木工芸の木桶など、選び抜かれた日本の手仕事がそろうほか、ユナイテッドアローズ共同創業者で名誉会長の重松理氏が手掛ける「順理庵」も同フロアに並ぶ。

内装は同店を手掛けたスペインの建築家リカルド・ボフィルによる外観はそのままに、和との親和性を追求した。壁は「幻の土」とも呼ばれる美里粘土に藁を練り込み、発酵させた土壁で左官職人の手仕事によって丁寧に塗り上げられている。床に敷かれたタイルは、岐阜県多治見市の工房に特注したもの。家具は木目の美しい日本の木材を採用するなど、細部に至るまで、「最上級」へのこだわりを込めた。

田村課長はユナイテッドアローズにアルバイト入社し、同社一筋20年以上のキャリアを持つ。直近ではウィメンズ商品の企画や、ウエアおよび生活雑貨のMDを担当してきた。プライベートでは華道や茶道、日本舞踊を趣味とし、和文化に根ざしたライフスタイルを送っていることから、今回のプロジェクトに抜擢されたという。

「実現に向けては、当社の創業メンバーから多くのアドバイスをもらった。鴨志田(康人)さんや栗野(宏文)さんからは、『ステートメントに掲げている“本物”とは、永続的に価値が変わらないもの。それだけを集める店にしなさい』という言葉をいただき、大きなヒントになった」と振り返り、「創業当時の、日本の生活文化の規範となる価値観を創造したいという思いを受け継ぎ、あらためて日本の伝統文化の奥深さや本質を多くの人に届けていきたい」と意気込む。

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