
アイスタイル傘下のアイスタイルリテール香港は12月5日、海外初となる旗艦店「アットコスメ ホンコン(@COSME HONG KONG)」をオープンする。初年度の売上目標は40億円。同社は同店を東アジア事業やグローバル展開の成長基盤と位置づけ、今後の海外旗艦店モデルの確立を狙う。
場所は、香港の繁華街である尖沙咀(チムサーチョイ)のユー・ワ・インターナショナル・ビルディング(Yue Hwa International Building)に入居していた「フットロッカー(FOOT LOCKER)」の跡地に出店する。路面店として1〜3階を占め、売り場面積は1298㎡。1階はアットコスメの世界観を堪能できるようにレジを設置せず、2階、3階へ自然に回遊させる導線を設計した。
取り扱いブランドは約500に上り、7割が日本ブランド、残り3割が韓国コスメとなる。ラグジュアリーでは、「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」「タカミ(TAKAMI)」「シセイドウ(SHISEIDO)」「コスメデコルテ(DECORTE)」「カネボウ(KANEBO)」「ポーラ(POLA)」などをそろえる。プチプラブランドでは、「キャンメイク(CANMAKE)」「ウォンジョンヨ(WONJUNGYO)」「オルビス(ORBIS)」などを展開。韓国勢では「ティルティル(TIRTIR)」「ラウンドラボ(ROUND LAB)」などに加え、香港初上陸となる「ダルバ(D’ALBA)」「ビューティー・オブ・ジョセオン(BEAUTY OF JOSEON)」なども取り扱う。
店舗では、購入額に応じて参加できるサンプルガチャやクレーンゲーム、メイクイベントスペース、シートマスクウォール、ミニコスメ売り場など、国内旗艦店で評価の高い体験型コンテンツを導入。香港市場向けに独自要素も追加した。アプリや口コミなどデジタル情報との連携を強め、店舗体験とオンラインを組み合わせた購買導線を構築する。
アイスタイルリテール香港の山本佑樹社長は「東京、大阪、名古屋で積み重ねてきた旗艦店づくりの知見をベースに、香港では新しい要素を多く取り込むことができた」と語る。街の規模がコンパクトで買い物を“体験”として楽しむ文化が根強い点を踏まえ、日本、韓国、欧米ブランドを横断して比較・体験できる場への需要は高いとみる。「この店舗を起点に、新たなビューティトレンドや顧客体験が生まれることを期待している」と意欲を示す。