ファッション

「ルイ・ヴィトン」「グッチ」「プラダ」が「イーベイ」の2025年首位ブランドに選出

オンラインマーケットプレイスの「イーベイ(EBAY)」は、2025年のウォッチリストまとめを発表し、注目すべき結果やポイントを明らかにした。同レポートは、「イーベイ」常駐スタイリストのブリー・ウェルチ(Brie Welch)やデザイナーでトレンドセッターのマルゲリータ・マッカパーニ・ミッソーニ(Margherita Maccapani Missoni)の協力のもと、1億3400万人以上の「イーベイ」全世界ユーザーの2025年1~9月までの購入と累計出品数のデータに基づき、ラグジュアリー中古市場の現状を概観している。

首位ブランドは「ルイ・ヴィトン」「グッチ」「プラダ」

報告書の著者によると、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「グッチ(GUCCI)」は依然として「イーベイ」において最も購入されるラグジュアリーブランドで、毎分13点以上の「ルイ・ヴィトン」の商品が出品されているという。

今年に入ってから現在までの期間における、最も出品数と購入数が多かったラグジュアリーブランドは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」(520万点)、「グッチ(GUCCI)」(390万点)、「プラダ(PRADA)」(320万点)、「バーバリー(BURBERRY)」(180万点)、「アルマーニ(ARMANI)」(170万点)、「ディオール(DIOR)」(120万点)であった。「イーベイ」は、創設者ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)の死去を受けて「アルマーニ」がトップ5に躍り出たことや、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の新体制で「ディオール(DIOR)」が盛り上がりを見せたこと、そして「バーバリー(BURBERRY)」がブランドの再建戦略を進めたことを、出品順位上昇の主な要因として挙げている。

スポーツ・ストリートウエアブランドの急成長動向

スポーツウエアやストリートウエアブランドの「キッドスーパー(KIDSUPER)」、「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」、「カクタス プラント フリー マーケット(CACTUS PLANT FLEA MARKET)」などの急成長ブランドは検索数が急増。一方で、「ドーエン(DOEN)」と「ギャップ(GAP)」のコラボは瞬く間にヒットし、「ミュウミュウ(MIU MIU)」や「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」も引き続きZ世代から人気を集めている。

2025年1~9月の販売数で最も伸びたブランドは、「キッドスーパー」(173%増)、「フィアー オブ ゴッド」(125%増)、「ロンシャン(LONGCHAMP)」(79%増)、「ドーエン」(79%増)、「カクタス プラント フリー マーケット」(70%増)、「ルード(RHUDE)」(66%増)、「ビルケンシュトック」(47%増)、「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」(36%増)、「ミュウミュウ」(32%増)、「アミリ(AMIRI)」(26%増)であった。

クリエイティブディレクターの交代でも変動

ファッション業界におけるクリエイティブディレクターの交代は、ブランドに新たなビジョンをもたらし、中古市場の再形成を促す主な原動力となっている。「イーベイ」によると、ジョナサン・アンダーソンの名前の検索数は390%増加した。「ディオール」の検索数は1分あたり52%上昇し、同ブランドのアイコン商品である“サドルバッグ”や“レディ ディオール”は販売数がそれぞれ34%と24%増加した。

エディ・スリマン(Hedi Slimane)退任後、マイケル・ライダー(Michael Rider)が「セリーヌ(CELINE)」のアーティスティック・ディレクターに就任したことで、同ブランドの“ファントムバッグ”の購入数は11%増加した。一方、「グッチ」では、デムナ(Demna)就任当初、投資家の反応はやや不安定だったものの、ティーザーキャンペーンにより彼の名前の検索数は87%増加。「グッチ」の検索数は1分あたり71%増加し、“オフィディア スモールショルダーバッグ”の購入数は325%、“ホースビット1955”のバッグは67%増加するなど急上昇した。

ニューヨーク・ファッション・ウイークで引き続きイットブランドとして注目を集める「ルアー(LUAR)」は、“アナバッグ”で消費者人気を維持。平均販売額や価格上昇率が高かったブランドは、「ルアー」(270%)、「ヘレウ(HEREU)」(91%)、「ギマガス(GIMAGUAS)」(58%)、「ボブ マッキー(BOB MACKIE)」(57%)、「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」(47%)、「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」(46%)、「ジャックムス(JACQUEMUS)」(36%)、「アライア(ALAIA)」(32%)、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」(22%)、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」(22%)だった。

ハンドバッグ、腕時計、スニーカーなどの販売動向

最も人気のハンドバッグは「フェンディ(FENDI)」の“バゲット”、「コーチ(COACH)」の“タビー”、「エルメス(HERMES)」の“ケリー”、「クロエ(CHLOE)」の“パディントン”、「ディオール」の“レディ ディオール”、「ルイ・ヴィトン」の“ポシェット メティス”だ。特に「コーチ」は、“イットバッグ”の象徴的存在として注目を集め、全米女子プロバスケットボールリーグ・WNBAとのパートナーシップ契約や、ドラマ「The Summer I Turned Pretty」とのコラボレーションにより、目を引くアイテムが登場した。今年、同ブランドは1分あたり92回検索されている。

最も人気の腕時計は、クラシックなデザインの普遍性を示した。「ロレックス(ROLEX)」の“デイトジャスト”、「カルティエ(CARTIER)」の“サントス”、「オメガ(OMEGA)」の“コンステレーション”、「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」の“ロイヤル オーク”、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」の“モナコ”、「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」の“ノーチラス”は、いずれもブランドの伝統を受け継ぎながら、格とスタイルの両面で注目を集めている。

テイラー・スウィフト(Taylor Swift)とトラビス・ケルシー(Travis Kelce)の婚約も検索動向に影響を与え、“オールド マイン ダイヤモンド(old mine diamond)”の検索数は21%増加した。婚約発表の際に着用していた「カルティエ」の”サントス デモワゼル(Cartier Santos Demoiselle)”は検索数が194%増となり、憧れのアイテムとして注目を集めた。

レポートの著者によると、検索数の多かったスニーカーは、懐かしさと実用性を兼ね備えたものであった。「ニューバランス(NEW BALANCE)」の“9060”、「ナイキ(NIKE)」の“ショックス”、「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」の“メキシコ 66”、「プーマ(PUMA)」の“スピードキャット”、「アディダス(ADIDAS)」の“テコンドー”、「アシックス(ASICS)」の“ゲルニンバス 10.1”は、いずれも、アーカイブアイテムへのこだわりを満たしつつ、性能や履き心地の面でも優れたアイテムだ。中でも、待望の復刻となった“エア ジョーダン 4 ホワイト セメント(Air Jordan 4 White Cement)”はスニーカーファンを熱狂させ、5月の発売以降、「イーベイ」ユーザーによる検索数は1日あたり約600回に達した。

ミッソーニは、「振り返ると、2025年は中古ファッションがメーンストリームとなった年だ」と語る。「レッドカーペットでも中古ファッションがかつてないほど受け入れられ、エマ・チェンバレン(Emma Chamberlain)、チャペル・ローン(Chappell Roan)、ジェレミー・ポープ(Jeremy Pope)といったスターたちがメットガラで『イーベイ』から調達したルックを着用することで、循環型スタイルの可能性を強く示した。さらに、クリエイティブディレクターの異動という“椅子取りゲーム”の波が定番ブランドを刷新し、アーカイブアイテムと新進ブランドのデビュー作への関心を高めた。その結果、消費者は彼らの作品を求めて『イーベイ』などのサイトに向かった」と話した。

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