ビューティ

“TikTok Shop”参入で何が変わる? 参加するビューティブランドやライブ配信の実施例を紹介

ショートムービープラットフォームTikTokは、アプリ内で製品の販売と購入が可能となるEC機能“TikTok Shop”のサービスを6月30日に提供を開始した。ビューティ業界では、現時点ではユニリーバ・ジャパン、花王グループの「ケイト(KATE)」、I-ne、ヤーマン、「アクシージア(AXXZIA)」、韓国のスキンケアブランド「アヌア(ANUA)」、美容家のIKKOがプロデュースするコスメブランド「ビオニア(BIONIA)」、化粧品や化粧雑貨などを企画販売する粧美堂などの参加が決定している。

特別セットが完売したキューサイ

ヘルスケア・スキンケア製品を扱うキューサイは、“TikTok Shop”のサービスが開始した6月30日に、IKKOがプロデュースする「ビオニア」のライブ配信イベントを開催した。ライブ配信記念の特別価格セットは配信中に完売となり、視聴者からはコメントが殺到したという。美容クリエイターのケヴィン(Kevin)もゲスト出演し、「ビオニア」製品の使用感をリアルタイムでレビュー。ライブ配信ならではの熱量で、視聴者とインターラクティブに交流し、購入につなげた。

若年層やSNSネイティブ層を取り込むヤーマン

ヤーマンは、「若年層やSNSネイティブ層が多く利用するTikTok上でユーザーに製品を訴求する」ことが狙いだ。PR担当者は「使い方が分かりにくい、利用イメージが湧かないという声が多い美顔器について、ショート動画やライブ配信を通して製品への理解や信頼感を高めていく。視聴者は40代が多く、購入実績もある。新規客にもリーチできる場なので、TikTok Shopの活用方法を楽しみながら模索していきたい」と話した。TikTok Shopの開設に伴い、インフルエンサーを活用したイベントやポップアップの展開も予定している。

ユーザー体験の最大化を図るI-ne

I-neはTikTok Shopの戦略設計と運用を担う専任チームを社内に立ち上げ、「アンドハビット(& Habit)」というショップを開設。「ボタニスト(BOTANIST)」「ヨル(YOLU)」「サロニア(SALONIA)」などのブランドを取り扱う。「SNS上でのユーザー接点やインフルエンサー起点の購買行動に以前から着目していた。動画を起点とした自然な製品認知や体験の創出、若年層との新規接点獲得、ブランドエンゲージメントの進化などに取り組む。成長市場へのタイムリーな対応を図りながら、ユーザー体験の最大化と販路の最適化を両立する体制を強化していく」とPR担当者はコメントした。

“TikTok Shop”とは

“TikTok Shop”は、ショッピング機能付きの動画やライブ配信を通して、ブランドやセラー、クリエイターはTikTokアプリ内で直接製品の販売ができる機能だ。ユーザーの関心に基づいて高いエンゲージメントを持つ顧客とつながり、「コミュニティー」「創造性」「コマース」の力を融合させた、シームレスなショッピング体験を提供する。

2021年にインドネシアとイギリスで始動。現在はアメリカや東南アジアなど16カ国で展開している。今年中にフランスやイタリア、ドイツ、ブラジルなどでも同サービスが導入される予定だ。

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