サステナビリティ

良品計画とJERA、再生可能エネルギーの新会社「ムジエナジー」を設立へ

良品計画とエネルギー大手JERAは6月25日、共同出資による再生可能エネルギー発電事業会社「ムジエナジー」を設立すると発表した。新会社の設立は2025年9月を予定しており、出資比率は良品計画が80%、JERAが20%。まずは太陽光発電設備の開発から着手し、再生可能エネルギーの創出とCO₂排出量の削減を目指す。

この取り組みは、良品計画の脱炭素経営を本格化させる一手と位置づけられている。初年度には13メガワット規模の太陽光発電設備の開発を予定しており、これは同社の電力使用量の約20%に相当。年間で約8000トンのCO₂排出量削減が見込まれており、主に無印良品のテナント店舗における電力使用の環境負荷軽減に活用される予定だ。

「環境価値」を可視化・活用するバーチャルPPAの仕組み

ムジエナジーで創出された再生可能エネルギーの「環境価値」は、JERAの子会社であるJERA Crossを通じて、バーチャルPPA(電力の物理的な供給を伴わず、環境価値のみを長期契約で取引する仕組み)という形で良品計画に供給される。一方、実際の電力は日本卸電力取引所(JEPX)に供給される。良品計画はこの「環境価値」を、無印良品のテナント店舗での電力使用におけるCO₂排出量削減に役立てる方針だ。

良品計画は、2030年までに温室効果ガス排出量(スコープ1・2)を2021年度比で50%削減する目標を掲げている。これまでも自社店舗への太陽光パネル設置や、再エネメニューへの切り替えなどを進めてきたが、今回の発電事業への参入は、より安定的かつ持続可能な再生可能エネルギー導入を実現するための大きな一歩となる。

一方、JERAは、燃料の上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売までを一貫して担うエネルギー企業であり、2050年までに自社事業からのCO₂排出ゼロを目指す「JERAゼロエミッション2050」構想を掲げている。子会社のJERA Crossは、24時間365日カーボンフリーな電力の提供や、企業のGX(グリーントランスフォーメーション)推進を支援する役割を担っている。

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