ファッション
特集 良質な睡眠こそ、最大の攻め 第10回 / 全10回

好調な睡眠市場には学びがたくさん

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年5月12日号からの抜粋です。)

和田:私はもともと生活の中で睡眠を重視しているタイプなので、睡眠特集をきっかけに、専門家の方たちにしっかり話が聞けてよかったです。

小田島:リカバリーウエアの好調や、大谷翔平選手が1日10時間寝ているという話が世間にもすっかり浸透していること、スマホゲーム「ポケモンスリープ」のヒットなどで、睡眠市場が盛り上がっているのは感じていました。今回取材した企業の広報担当者は、皆さん超多忙だろうに肌や髪がツヤツヤ。睡眠の重要性を如実に物語っていて、印象的でしたね。

和田:マットレスや枕など、考え抜かれた装備で寝ている方たちは、やはり睡眠の質が高いんだなと感じました。皮膚科医の取材では、睡眠時間の長さだけでなく、質の良い睡眠を取って、起きた後に「ああ気持ちよく寝た」と感じることが、肌や体に良い影響を与えると聞きました。これまで、睡眠時間の確保は意識してきましたが、今後は睡眠の質ももっと追求したいです。

ナイトウエア市場はさらに活性化する予感

小田島:睡眠市場の盛り上がりは、われわれが普段取材しているファッションやビューティ業界としても参考になる部分が多いと思います。たとえばナイトウエア。人は1日の3分の1近く寝ているわけだから、その時間を自分好みのデザインや肌触り、着心地の服で過ごすのはQOL向上につながります。「だから、数万円のパジャマも決して高くない」という言葉にも説得力を感じました。ナイトウエアやリカバリーウエアは新素材開発も盛んで、今後さらにプレーヤーが増えて市場が活性化しそう。

和田:眠りの深さや自律神経の働きなどを測り、そのデータを日々の生活に生かすといった、スリープテックもさらに広がりそうです。「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」がこの春、初の“グローバル スリープ サイエンス アドバイザー”を任命したことにも注目しています。近い将来、日本の化粧品メーカーも、睡眠と美容の関連にもっとフォーカスして研究開発を進めていくといった動きはありそうです。

 

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