言わずもがなですが王子ネピアはティッシュやトイレットペーパーなど生活日用品を展開しています。王子グループの2024年3月期の売上高は前期比0.6%減の1兆6963億円でその40%をネピアの生活産業資材が占め、他カテゴリーである印刷情報メディアや資源環境ビジネス、機能材などの中でもシェアが高くグループをけん引しています。その中で、なぜ化粧品事業に参入するのかというと、記事内にもありますが少子化により24年に国内子供用オムツの生産を終了。デジタル化で紙の需要も減少傾向にあるからとのこと。そこで、これまで手掛けてきた鼻やおしりという肌に触れる製品と親和性の高い化粧品の開発に乗り出し、新規事業として化粧品分野に進出したのです。
キー成分は漢方薬としてよく耳にするカンゾウです。同社によると日本で使われているカンゾウはほぼ輸入に頼っていて、野生のカンゾウを採取した後地が砂漠化し問題視されているとのこと。同社は、製紙業を営む中で1933年から「木を使うものには、木を植える義務がある」と循環型経営を推進。カンゾウについても2014年から国内で試験栽培を開始し、23年に大規模栽培に成功したことも化粧品事業を立ち上げるきっかけとなったといいます。同社は世界各国に“王子の森”を有しており、総面積は約63万5000ヘクタールにものぼります。カンゾウは北海道の20ヘクタールの面積で栽培しています。ちなみに、カンゾウの生育環境は北緯45度が適していることから北海道を選んだそうです。
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