「買い取りレシート24万枚超、想定の200〜400倍」 レシート換金アプリで話題の高校生起業家がローンチ当日の思いを語る

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2018/6/12 (TUE) 14:00
山内奏人ワンファイナンシャル最高経営責任者:2001年、東京生まれ。9歳から独学でプログラミングを始めたのち、デザインやリサーチについて学ぶ。16年に決済サービスのための会社ウォルト(現ワンファイナンシャル)を創業、現在はエンジニアやデザイナーなど5人が在籍する。平日は高校に通う現役の高校生で、取材時も「直前まで体育の授業でバスケをしていた」とのこと。趣味は友だちや彼女と遊ぶことで、来年以降は大学で哲学や建築を学びたいという

 カード決済サービス「ワンペイ(ONE PAY)」などを手掛けたワンファイナンシャルが12日、レシートを読み取るだけで1枚10円の現金に換えることができるアプリ「ワン(ONE)」をローンチした。非常にシンプルな構造ながら、眠っている価値を換金するとともにデータを取得できるサービスに大きな期待が集まっている。今年3月に「フォーブス(Forbes)」が発表した「Forbes 30 Under 30 Asia」でファイナンス&ベンチャーキャピタル、ヤンゲストの2部門に選出されたことでも話題の高校生起業家、山内奏人・最高経営責任者(CEO、17歳)に、ローンチ当日の心境を聞いた(あまりの反響に12日の22時に一旦サービスを一時中止したといい、取材内容は22時以前のもの)。

WWD:あらためて「ワン」とはどんなアプリか。

山内奏人CEO(以下、山内):どんなレシートでもユーザーがアップロードしたものを1枚10円で買い取るというシンプルなサービスです。

WWD:ローンチ初日の手応えは?

山内:公開16時間程度ですでにユーザー数が7万人、買い取りレシート総数は24万枚を超えました。ある程度の予想はしていましたが、想像以上に利用されていて、すでに想定の200〜400倍の利用がありました。

WWD:ユーザーとしては、本人確認をするだけですぐにお金がもらえるのか。

山内:本人確認部分は外部のトラストドックに委託していますが、全国の銀行にすでに対応しているので、出金手数料200円をのぞいていつでも出金が可能です。

WWD:買い取りの限度額は?

山内:1ユーザーあたり1日10枚なので、月3000円までです。実はこの価格に非常にこだわっていて、無理やり落ちているレシートを集めてやるほどでもないけれど、ある程度の価値のある金額にしたかった。単価が安いので、全体での上限額などは今のところ設定していないんです。

WWD:どんな形式のレシートでもいいのか。

山内:ユーザーがみないい人だという性善説に基づいていて(笑)、実は写真を撮るだけで10円になります。解析をしてもよかったんですが、そのためにはユーザーも待たなければいけないし、煩雑になるなと。

WWD:そうなると、同じレシートを何回も換金したり、コンビニで大量のレシートをとってきて換金するなど、正しくないデータが集まるのでは?

山内:画像解析をすることで、同じレシートなどの不正はすぐにわかります。でも、逆に考えば10円単位でその人が不正する人かどうかのデータが集まるわけで、例えばカード会社の与信データとしては価値があるはずです。「キャッシュ(CASH)」や「メルカリ(MERCARI)」といった先行サービスがありますが、彼らがいかに不正利用を防いできたかを学んできました。だからこそ、あえてユーザーを信頼するビジネスモデルをとっています。

WWD:どんな人に使ってもらいたいか。

山内:全年齢対象ですが、特にフォーカスしたのは主婦と学生です。日常的にお金が足りなくて、そこに少額の資金調達手段を提供できればと。

WWD:ワンファイナンシャルとしてのビジネスモデルは?

山内:すでにメーカーやEC事業社と話をしていますが、実はまだ深くは決めていなくて。まずは先にデータを集めようと考えました。もちろん広告主に対してデータを提供したり、自社プラットフォームでデータを活用するSNS広告のようなやり方が考えられますが、今現在、あくまで個人的には後者がいいかなと思っています。

READ MORE 1 / 1 レシートは全国共通のデータだった

WWD:これまでも決済サービスを中心に事業展開してきたが。

山内:15歳の頃にビットコインのウォレットをやっていましたが、昔から“複数通貨時代”が来ると考えていました。生活の中で日本円100%ではなくて、いろんなポイントや仮想通貨を含めてあらゆる価値を並行して使って生きていく時代です。そもそも金券ショップって国際送金も簡単にできるすごい場所だということに感動して、金融サービスを身近にすることを目的に事業を始めました。だから昔から“次世代の金券ショップ”を作りたいという思いがあったので、夢が叶ってうれしいです。

WWD:その“次世代の金券ショップ”の入り口となる「ワン」を思いついた経緯は?

山内:ちょうど3週間くらい前に友だちからスイスフランをもらって、「これは僕にとっては価値がないものだけど、スイスでは価値があるんだ」と思い、レシートなら誰もが持っているのにいらないものだと考えついて、事業化を決断しました。

WWD:レシートは全国共通だったと。

山内:これまでTポイントをはじめ各社がオフラインでのデータ取得に取り組んできたことで、ポイントカードなどが乱立することになりました。レシートであれば全国共通で、何で払おうが、ポイントを貯めようが、共通して取ることができるデータだったんです。これからはデータもパーソナライズされる時代なので、今までトラッキングができなかった店舗を超えた利用情報もレシートによってデータ解析が可能になる。1日目ですが、すでにいいデータが集まりはじめていて、仮説としては正しかったのではないかと考えています。

WWD:レシートを換金すること自体は法的に問題ないのか。

山内:実は、われわれは画像にお金を払っているので問題ないんです。すでにモノの売買もできる体制が整っているので、今後は対象アイテムを広げることになると思います。

WWD:まさに“次世代の金券ショップ”に向けてサービスを拡大すると。

山内:レシートだから撮影という工程が必要でしたが、モノの場合は撮影すら必要ないかもしれないですね。もちろん金券やチケットだけでなく、時間を買い取ってみたり、知識や、倫理的な問題をのぞけば、連絡先や位置情報などのデータを売る時代も来るかもしれません。

WWD:物質だけでなく、全てのデータに価値があると。

山内:これまで企業が個人情報を取得して、勝手に使っていたこと自体が問題だと思うんです。個人情報には価値があるということを買い取りサービスを通じて伝えたい。すでにサービスに対して「レシートから個人の買い物履歴などがわかってしまう」といった批判が来ていますが、僕はまさにこういう議論がしたかったんです。個人情報は価値があるもので、自分自身のものだという問題提起をした形です。

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