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運賃無料の配車サービスで“移動をメディア化”、広告に革命を起こす22歳の起業家

 日本初となる運賃無料の配車サービス「ノモック(nommoc)」を企画する若手実業家の吉田拓巳・社長(22)が5月12日、247人の投資家から5000万円の資金調達に成功し、2019年3月のサービス開始に向けて本格始動した。募集後およそ4分半という過去最速の資金調達を実現したことで一躍話題になった吉田社長だが、アパレル企業も注視する広告の未来を変えるかもしれない、若き天才の考えを取材した。

WWD:まず、「ノモック」とは何か。

吉田拓巳ノモック社長(以下、吉田):事前登録をしたユーザーがアプリを通じて車を手配し、目的地まで無料で移動ができる配車サービスだ。移動中にユーザーの趣味嗜好から細かくターゲティングされた情報を流すことで、広告配信料で運賃をまかなう。

WWD:タクシー事業ではない?

吉田:本質的には“無料型の移動広告メディア”と捉えている。新しい形のリアルにおける広告媒体だ。

WWD:どのくらいの距離の移動が可能か。

吉田:まずは19年3月に福岡で10台の試験運用を始める予定だが、中心街から20分程度の移動を想定している。移動距離が長すぎるとビジネスモデルとしては厳しいので、区域制限はある程度設けるつもりだ。

WWD:なぜ福岡なのか。

吉田:自分の出身地ということもあるが、福岡市は国家戦略特区としてチャレンジングな企業に対する支援が手厚いことも大きい。僕らだけではなく、海外から来たベンチャー企業も多い。また、今後アジアでの展開を視野に入れると、距離的にも福岡は拠点として絶好だった。

WWD:どんな利用者を見込むか。

吉田:無料なので、細かくターゲットを絞らず、幅広い人に使ってもらった方が、メディア的視点ではうれしい。とはいえ、スタート時は若い人が中心になるだろう。まずは福岡県で年間8万4000人、中期的には主要都市で年間42万人の利用を目指す。

WWD:今後の事業計画は?

吉田:中期的には東京や京都、大阪などでの運用を考えている。20年の東京オリンピック・パラリンピックがポイントで、空港からの海外のお客さんに対して英語接客が可能なお店を紹介するなどして、都内2000台の運用を目指したい。

WWD:そもそも、“無料配車サービス”を考えついた経緯とは。

吉田:これまでイベント制作などをしてきた中で、大企業もイベントに予算を使うなど、ネットではないリアルな場が重要になると考えていた。そんな中で、同じ年齢・職種の人が同じ趣味を持つとは限らないのに、例えば新橋駅にはサラリーマン向けの看板広告が出ているように、リアル空間でターゲティングできるメディアがないという課題感を持っていた。

WWD:リアルな場でターゲティングをするために“車”を選んだと。

吉田:リアルな場で隔離空間を作ることができるのは、車内かトイレくらいしかなかった。「タクシー業界を変えたいのか」とよく聞かれるが、そんなことはなくて、例えば飛行機でも同じことができると考えている。個人の十何時間を企業が買えるというのはすごいことだ。