ファッション

靴磨きの世界チャンプが虎ノ門ヒルズの麓に新店 外資系ビジネスマンの“足元”を狙う

 靴磨きの世界チャンピオン、長谷川裕也氏が経営する靴磨き専門店「ブリフトアッシュ(BRIFT H)」は、バー併設型の新店「ザ シューシャイン アンド バー(THE SHOESHINE AND BAR)」を東京・虎ノ門にこのほどオープンした。

 店舗は虎ノ門ヒルズ森タワーの麓から延びる新虎通り沿いにある。30平方メートルの店内には、5席のバーカウンターが設けられ、靴磨き職人とバーテンダーが1人ずつ常駐する。バーのメニューは本格的なカクテルなど10種(12月末時点)を用意し、中でも同店オリジナルの“シューシャイン ネグローニ”(1500円)はビンテージのビターリキュールや「タンカレー(TANQUERAY)」のジンの芳醇な味わいが楽しめる。客は椅子に腰掛け、自分の靴が磨かれる様子を堪能しながら一杯を味わうことができる。店外にはテラス席も用意した。

 虎ノ門ヒルズ森タワーの周囲には現在、運営する森ビルにより、新たな超高層ビル3棟の建設計画(それぞれ19~22年度に竣工)が進む。職住一体の整備で、オフィスフロアには外資IT企業などを誘致。加えて東京オリンピック・パラリンピックでは、新虎通りが新国立競技場と選手村を結ぶ主要道路となる予定で、外国人を中心に来街者の増加が見込まれている。その再開発プロジェクトの一環として、同店にも出店の話が舞い込んだという。

 南青山に構える「ブリフトアッシュ」の本店は本格靴の愛好家が主要な客層である一方、虎ノ門新店のターゲットは明確に異なる。「主に通りを行き交うITビジネスマンの利用を想定している」(長谷川氏)。靴磨きのメニューにおいても、彼らがビジネスカジュアルで着用するレザースニーカーの磨き(2500円)を前面に打ち出す。革靴の磨きは、忙しい合間を縫って利用する客を想定して10~20分程度で完了するコース(2000円)を用意。「ヨーロッパ人が好む、ほどよく光った状態」に仕上げるのも特徴だ。

 「ビジネスマンの働き方が大きく変わる中で、われわれも革靴一本では先細りになってしまうという危機感があった」と長谷川氏。「(新店は)より多くの人に靴磨きの魅力を知っていただくとともに、靴磨きビジネスの裾野を広げていくための試金石としてチャレンジしていきたい」。

 長谷川氏は2017年にロンドンで開かれた世界選手権で優勝。その後の19年9月に伊勢丹新宿本店で開かれた、世界各地のチャンピオンで争う「シューシャイニング チャンピオン オブ チャンピオンズ」でも優勝し、“真の世界一”に輝いた。

■THE SHOESHINE AND BAR
営業時間:靴磨き11:00〜20:00、バー16:00〜23:00
定休日:日祝
住所:東京都港区西新橋2-33-2

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