ファッション
連載 YOUTH

海外進出を決めた実力派デザイナーデュオ 個の力と一体感を武器に飛躍を誓う舞台【ネクストリーダー2020】

有料会員限定記事

 「WWDジャパン」は、ファッション界の次世代を担う人に光を当てた企画「ネクストリーダー」を実施している。今回で3回目を迎えた同企画の対象者は、ファッションビジネスに関わるあらゆる分野の若きリーダーたち。情熱と才能を持ち、強い信念で前へ進むネクストリーダー10組を紹介する。

 メンズブランド「オールモストブラック(ALMOSTBLACK)」は“ポスト ジャポニスム”をコンセプトに掲げ、デザイナーの中嶋峻太と川瀬正輝が影響を受けてきた日本のアートの要素を取り入れた服作りが特徴だ。テーラードやミリタリー、ストリートウエアなどあらゆるメンズウエアの要素を融合し、再構築して、時には美しいアート作品のように、またある時にはカルチャー色の強いストリートウエアに仕立てる。振り幅の広さに対してクリエイションには一貫性があり、大手百貨店やセレクトショップからの信頼も厚い。18年には普遍的デザインにこだわった「プロダクト オールモストブラック(PRODUCT ALMOSTBLACK)」を立ち上げ、ビジネスも好調。同年には法人化し、19年からは中嶋が「オールモストブラック」を、川瀬が「プロダクト」をリードする分業制にした。多くの日本人デザイナー同様、彼らはこれまで自身についてあまり多くを語りたがらなかった。しかし、20年に満を持して海外進出するタイミングで、それぞれのルーツや気持ちを外に発信していきたいという。ラフ・シモンズ(Raf Simons)の下で経験したこと、共通の恩人のこと、そしてブランドの未来のこと——内に秘めた個を表に出す決意の裏側には、2人の強い思いがあった。

2人を育てた、2人の師

WWD:経歴が異なる2人はどのようにして出会った?

川瀬正輝「プロダクト オールモストブラック(以下、プロダクト)」デザイナー(以下、川瀬):ファッションと音楽がとにかく好きで、いつかはブランドをやりたいと思っていた。学生時代に雑誌で坂田真彦さん(アーカイブ&スタイル代表)を見て幅広い知識やスタイルに憧れ、坂田さんが当時ディレクターを務めていたアパレル会社に入社した。そこで中嶋と出会った。

この続きを読むには…
残り3270⽂字, 画像3枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“個”が主役の百貨店特集2024【WWDJAPAN BEAUTY付録:2023年度世界のビューティ企業TOP100】

7月22日号の「WWDJAPAN」は百貨店特集。 個人の価値観が多様化し、コロナを経てオンライン消費がますます浸透しました。百貨店という業態の存在意義すら問われる中、それでも人が集まる店の条件とは何か。決め手は、品ぞろえでも立地でもなく、情熱と個性を持った“人”の存在。百貨店が元々持っていた強みに光を当てたり、その枠を超えて新分野を開拓したりと、編集力やアイデアを駆使して売り場を面白くしようとする…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。