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新生・渋谷パルコの制服を手掛けた「カラー」 「思い出の場所」とデザイナーの阿部潤一

 「カラー(KOLOR)」が渋谷パルコに4店舗目となる直営店をオープンした。メタリックなグレーを基調に「カラー」らしいダルブルーのアクセントウォールを差し込んだ店内には、限定商品を含むメンズとウィメンズの商品をラインアップ。商業施設のグランドオープンに際しては、パルコ社員用のユニフォームも手掛けた。出店から制服デザインまで一連のラブコールを快諾した阿部潤一デザイナーにとって、渋谷パルコは青春時代から思い入れのある場所という。

WWDジャパン(以下、WWD):渋谷パルコに出店しようと思ったのはなぜ?

阿部潤一「カラー」デザイナー:パルコからオファーをもらった時、話を聞いて素直に「面白そう」と思った。ハイファッションと「ニンテンドートウキョウ」が一緒だったり、上層階には劇場があったり。渋谷パルコは、僕らの世代にとって思い入れの強い場所。期待が膨らんだ。

WWD:渋谷パルコの思い出は?

阿部デザイナー:山形から上京して新宿の専門学校に通っていた頃、洋服やレコードなどの買い物をするのは渋谷だった。渋谷パルコに行けば音楽も、ファッションも、すべて最先端の文化が揃った。「AKIRA」の映画が公開になった頃、主人公の金田(正太郎)が劇中で乗っていたバイクの展示を見て、驚いたのを覚えている。今回のリニューアルの構想を聞いた時も、あの頃と変わらず「ここを拠点にあらゆる文化が雑多にまざりあう」空間のイメージが湧いてワクワクした。

WWD:ショップ作りでこだわったところは?

阿部デザイナー:南青山やドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)の店舗とは異なる内装デザインを変えた。コントラストをほぼつけずにグレーで統一感を持たせ、洋服が浮き立つようなイメージに。壁は、職人がアルミテープを1枚1枚手作業でランダムにトップまで貼り付け、その後、わざとキズをつけて汚れたニュアンスを加えている。

WWD:今回の改装に合わせて、渋谷パルコの社員用ユニフォームも手掛けた。

阿部デザイナー:オファーをいただき、コレクションのフーデッドコートをアレンジした。背中には、「グランドオープンの日にちを入れて欲しい」というリクエストをもらい、ロゴのコラージュと一緒にのせた。ネオンオレンジのライナーなど、ディテールにも力を入れて、正直、かなりこだわった(笑)。納品した日、パルコの担当スタッフから「皆、大喜びでテンション上がってます!」とすぐに連絡をもらって嬉しかった。

WWD:渋谷への出店で、期待することは?

阿部デザイナー:最近の渋谷の街は子どもっぽくなっていた印象で、足が遠のいていた。でもパルコがオープンしたことで、また色々な年代の人たちが戻ってきそう。館内には大人向けの店も多いし、会社帰りにふらっと立ち寄りたくなる場所になることを期待したい。「アキラ」のバイクのように、自分が学生時代に「えー!嘘でしょ!?」と驚かされたワクワクするイベントを、これからも常に仕掛けてくれそうだ。