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動画追加:「ミナ ペルホネン」の“1シーズンで役目を終えない服” 25年間のコレクションをミックスしたショーを開催

 2020年に25周年を迎える「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN)」は11月25日、“TIME ・ME・IT”と題したファッションショーを東京都現代美術館で行った。20年2月16日まで開催中の展覧会「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」を記念したもの。創業した1995年頃の初期のコレクションから最新の2020年春夏までを、時空を超えたミックスコーディネートで披露した。スタイリングは大森伃佑子、音楽は千葉広樹、演出は遠藤豊が担当した。

 ショーに登場した52体のルックは、いずれも一過性のトレンドに左右されない普遍的な価値を持つ。熱心なブランドファンでない限りは「どれが新しくて、古いのか」を言い当てることはもはや不可能だろう。ドットのサークル柄“タンバリン”や森を描いたレースの“フォレストパレード”など馴染みのモチーフをはじめ、鳥をかたどった人気バッグの“トリバッグ”などブランドを代表するアイテムだけでなく、一部ショーのために制作したウエアもあった。

 デザイナーの皆川明はブランド設立から「1シーズンで役目を終える服ではなく、長く着続けていただけるように」という思いを込めて服作りを続けてきた。アイデンティティーであるテキスタイルはオリジナルでデザインし、日本各地の生地産地とコミュニケーションを重ねながら丁寧に作り上げている。直営店ではセールを行わず、残った商品はアーカイブ品として販売しており、「ミナ ペルホネン」の服はシーズンを超えても価値が変わることはない。開催中の展覧会はこれまでのアーカイブを展示するだけでなく、実際にブランド愛用者が着用している動画作品を見せたり、実際の購入者から服を借りて服と着用者のエピソードを紹介したりと、クリエイションのその後までを考察している。

 今回のショータイトルの“TIME ・ME・IT”について皆川は、「時間(TIME)は “私(ME)”と“それ(IT)”からできている」と説明する。「私たちの日々は時の中で心の中と外の世界との対話でつむがれている。空想はカタチとなり、カタチは記憶を宿し、その記憶は次の空想の種となり、作り手へと還っていく。その循環を私たちはこれからも続けて未来を見つめたい」。

 皆川が「せめて100年つづくブランドに」とブランドを開始して四半世紀を迎えた。ランウエイショーは08年春夏パリでのショー以来で、日本での本格的なショーの開催は今回が初。ブランドの顧客を含む約300人を招待し、今後も“つづく”ブランドのモノ作りと、客との関係をつなぐショーとなった。