ファッション

Vインフルエンサーの活躍の場はリアルに ITのプロ「WWDジャパン」最新号につぶやく

 大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。

今日のニュース:P.6「Vインフルエンサーが続々登場するワケ」

読み解きポイント:Vインフルエンサーにとってインスタは過渡期。本命はリアル空間に登場すること。

ニュースのポイント

 インスタグラムなどのSNS上で、本物の人間のように見えるバーチャルインフルエンサーが続々と登場。生身の人間を撮影した画像にCGで作成した顔に付け替えることで、時間、コストのかからない作り方を実現。各キャラクターの最初のコンセプトメイキングと戦略が成功の大きな分岐点になる。今後は、AI(人工知能)やAR(拡張現実)のテクノロジーと融合して新しい地平が開けることに期待。

CKRはこう読む!

 「50万円~300万円」。プロ機材で生身の人間を3D撮影し、モーションキャプチャーという実際の動きも付け、フルCGキャラクターを1体、製作する費用(目安)です。編集をどこまで加えるか、質感にどこまでこだわるかなどによって、製作費用は大きく変わってきます。

 インスタフォロワー数160万で世界最強のVインフルエンサーと言われる「Miquela(ミケーラ・ソーサ)」は9月19日、Youtubeで「Money」というミュージックビデオを発表しました。昨年10月にBaauer & Miquelaとして公開した「Hate Me」の中では、動きの少ないCGキャラクターだったため、映像の中で“浮いている”感じがありましたが、今回は歌って踊りながら、うまく溶け込んでいます。テクノロジーの進化とともに、キャラクターが自然な表情で活躍するシーンが増えています。

 今回は、なぜフルCGの写実的なキャラクターが注目を浴びるようになったのか、今後、どのような活躍が期待できるのかについて考察してみたいと思います。

 CGキャラクターを製作、プロデュースする側のメリットは、テクノロジーが民主化され製作費用が低減したことに加え、記事にもあるように世界観を完璧に作ることができ、人をマネージメントする難しさから解放される点が挙げられます。キャラクターとして面白いかどうかは別として、生身の人間のように、不祥事も起こさなければ老化もしません。

 また、CDやDVDといったパッケージ販売が主流だった時代は、露出メディアも限られていたので、一度コンテンツを製作すれば、アーティスト自身はあまり稼働しなくても稼ぐことができました。今はアーティスト自身が、ライブ、SNS、Youtubeでプロモーションなどを行い、消費行動を刺激するため、多くの時間を費やすことが求められています。そのような背景もあり、生身の人間より取り扱いが簡単で、時間と場所の制約がないバーチャルキャラクターに注目が集まるのは当然です。

 現在、Vインフルエンサーはスマホ内のインスタやYoutubeなど限られたメディアの中で活躍していますが、今後は、リアル空間をメディアに活躍することも考えられます。ギタリストの布袋寅泰は、漫画「北斗の拳」のキャラクターであるケンシロウ、ラオウとバンドを組んで、AR技術を活用し、リアルなギターピックの上でCGキャラクターとして演奏し始めています。

 アニメのキャラクターも、リアルな人間も一緒に溶け込む世界。インスタやYoutubeといったアプリではなく、ギターのピックやドリンクコースターといったリアルなモノがメディアになる世界が、すでに現実のものとなっています。今後はメガネ型ディスプレーなどスマホに代わるデバイスの登場により、手軽に現実空間と重畳できる世界が広がります。Vインフルエンサーを活用したビジネスシーンは、ますます広がるのではないでしょうか。

CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中

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