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これからの美容室は高齢社会の社交場だ ITのプロ「WWDビューティ」最新号につぶやく

 大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、先週号のファッション週刊紙「WWDファッション」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。

今日のニュース:P.5「美容室が初めて25万軒を突破 倒産件数も過去最多を超える見込み」

読み解きポイント:社交場としての美容室について考える

ニュースのポイント

 厚生労働省によると、2018年度末、美容室が全国で25万1140施設、美容師数は53万3814人と過去最高を記録した。なお理容室は11万9053施設と、前年度に比べ1912減少となった。また、美容室は19年1〜10月累計で92件倒産し、休廃業・解散も年間200件を越えるなど増加傾向にある(東京商工リサーチ調べ)。異業種から参入するサロンもあり、新たな経営手法を模索する時期が来ているのかもしれない。

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 信号機の数よりも多いと言われる美容室。それでも増え続ける理由は、地域に根付いた社交場(サロン)としての役割があるからではないでしょうか?倒産件数も過去最高とありますが、休廃業・解散を合わせて300件/年程度。それほど多くありません。美容師の新規免許登録数は、05年度をピークに毎年減少しています。ところが美容師数は、この20年で1.6倍増え、約53万人となりました。引退せず、美容師を長く続ける方が、全国にはたくさんいると言えそうです(美容師免許を持ちながら、就労していない休眠美容師が全国に推計75万人いるのも事実です)。

 全国理美容製造者協会の調査によると、年代別の平均利用回数は、60代が6.9回/年とトップで、年代が若くなるほど回数は減少します。また女性は、どの年代も8〜9割が美容室を利用しており、お店選びの理由1位は「行きやすい場所にある」です(男性40代以上は、8〜9割がクイックカットサービス店か、理容室を利用しています)。このあたりから考えても、住宅街に昔ながらのアットホームな美容室が、「地域の社交場」の役割を果たしていると思われます。

 しかし今後、美容師も高齢となり休廃業が増えると、「社交場ロス」することになります。そして実は、背後に差し迫っている、この課題に向き合うことが大切だと思うのです。施術スキルを確保し、リーズナブルな料金でサービスを提供することは、もちろん大切です。しかし、幅広い年代の方とのコミュニケーション力や、地域に貢献する活動も、応援される美容室として見逃してはなりません。“粋”な美容室なら、値段は少々高くても、お金を払いたいと思う方もいらっしゃるはずです。心地よい場所で、元気がもらえるなら、何度も通う人もいるでしょう。訪問美容という新しい形が増える可能性もあります。

 「高齢社会における社交場としての美容室」、注目したいテーマの一つです。

CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中

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