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美容クリニック情報の信頼性、どう高める? ITのプロ「WWDビューティ」最新号につぶやく

 大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDファッション」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。

今日のニュース:P.4「ホットペッパービューティー」が来春 美容クリニックの情報提供開始

読み解きのポイント:爆走する中国スタートアップを横目にサービスを開始。質の高い情報を提供できるか?

ニュースのポイント

 国内最大級サロン検索・予約サービス「ホットペッパービューティー」が来春、クリニック情報の提供を開始する。医院・クリニック情報は横断的にまとまっているサイトがなく、口コミ情報も少ないため、比較しづらいことが課題。「悩みから探す」など、ユーザーが探しやすい検索メニューも用意し、業界全体の活性化の役割も期待されている。

CKRはこう読む!

 「美容医療は、成長市場。しかし、安心便利な情報サービスが少ないのは、なぜか?」。

 口コミするインセンティブが働きづらいことに加え、情報の質を高めるエコシステムが確立していないところに、原因があるかもしれません。

 医療は、人の生命・身体に関わるサービスです。内容も専門的で、判断が難しく、患者への影響も大きいため、広告が規制されています。18年6月の医療法改正によって、看板、チラシ、テレビCMを対象とした規制の範囲が、医療機関のウェブサイトにまで広がりました。その結果、医療機関のウェブサイトからは主観表現である体験談や、説明なしのビフォア・アフター写真は削除されました。

 根拠が乏しく誤解を招く広告は、規制すべきです。しかし、体験を記した口コミも減ることによって、利用者が判断する手段の一つを失い、情報難民になる可能性もあります。

 もちろん口コミは、さまざまな動機から投稿されてます。そのため数よりも質を高めて、利用者一人ひとりに有益な情報として、更新し続けることが重要です。「実体験した人のみ投稿できる」「クリニックも、コメントを返すことができる」「他の信頼できる情報と紐づける」など、質を高める工夫がどのように講じられるのか注目したいところです。

 リクルートライフスタイルのプレスリリースには、「保険診療に該当する診療、切除を伴うレーザー、リフト、メス・外科手術全般は対象外となります」と記載されています。

 今回提供される情報は、医療法に抵触しない、比較的ライトなクリニックメニューを対象にしていることが読み取れます。公平なポジションに徹し、質の高い情報を提供することで、利用者が安心して行動できる仕組み作りをすることが、プラットフォームそのものの評判を高め、業界を活性化するのではないでしょうか?

 ところで、中国では、Tencent(騰訊)が支援する美容整形アプリ「So-Young(新氧)」が2019年6月、NASDAQに上場しました。時価総額は、11月末時点で12億1000万ドルドル(約1325億円)です。クリニック予約と広告が収益源で、2018年の総収益は約6億2000万元(約96億円)、純利益約5500万元(約8億5000万円)と、急成長しています。

 アプリを開くと、体験談や施術写真がタイムラインのように流れてきます。トップ画面にある「面部轮廓」メニューを選択すると、スマホカメラが起動し「顔の輪郭(りんかく)」診断もできます。医師ごとの情報や評価も掲載されており、ポータルとしての機能を果たしていそうです。

CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中