イトーキはこのほど、農林水産省と「建築物木材利用促進協定」を締結した。同社は協定に基づき、自社で設計・施工を手掛ける非住宅空間の内装において原則として国産材を使用し、今後5年間で国産材の利用量を大幅に拡大する。協定期間は2025年12月18日から2030年12月31日まで。
国産材の利用量は、2021~25年の5年間で計726㎥だったが、2026~30年には計3250㎥へと増やす計画で、過去実績の約4.5倍に相当する。内装の木質化にあたっては、床や壁面などの内装材に加え、机や椅子、テーブル、収納棚といった家具や什器にも積極的に木材を活用する。
協定締結の背景には、カーボンニュートラルや循環型社会の実現に向け、国産材の利用拡大を後押しする動きが強まっていることがある。建築分野における木造化・木質化は、木材への炭素固定に加え、森林資源の適切な管理や循環利用につながる点が期待されている。
イトーキはこれまでも、オフィス空間や施設内装への木材活用を進め、働く人のウェルビーイング向上や生産性向上、空間価値の向上に取り組んできた。今回の協定を通じ、森林資源の循環と社員の生産性・創造性・健康を支える職場環境づくりの両立を強化する考えだ。
なお、内装木質化に使用する木材については、「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」に基づく合法性確認木材等を採用する。農林水産省は、イトーキに対して技術的助言や活用可能な補助事業に関する情報提供を行うほか、意見交換や木材利用に関する相談窓口、専門家の紹介などを通じて協定の推進を支援する。