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却下から一転 瞬時に完売した「アディダス」×カニエの“イージー ブースト 350”に著作権登録が認められる

 米国著作権局の審判部は5月8日、「アディダス(ADIDAS)」とカニエ・ウェスト(Kanye West)が手掛ける「イージー(YEEZY)」のコラボスニーカー“イージー ブースト 350 V1 タートル ダヴ(YEEZY BOOST 350 V1 TURTLE DOVE、以下V1 タートル ダヴ)”と“イージー ブースト 350 V2 ベルーガ(YEEZY BOOST 350 V2 BELUGA、以下V2 ベルーガ)”の2型について著作権登録を認めた。アディダスは2017年に初めて登録申請を行ったが、審判部はこれを却下。同社が再審を求めた結果、先の判断を覆して登録を認めた。

 “V1 タートル ダヴ”は、グレー地に黒いラインを不規則に入れた“プライムニット”をアッパーに採用し、側面に黒い半円、ヒール部分にオレンジの点線を入れたオフホワイトのループをあしらっている。“V2 ベルーガ”は、アッパーの側面に濃いグレーのラインとオレンジの太いラインが入った“プライムニット”の下にオレンジ色の生地を敷くことで、部分的にオレンジが見えるようになっている。(注:“V2 ベルーガ”の完成品にはオレンジのラインの中に“SPLY-350”という文字が入っているが、今回登録が認められたのは文字が入る前の状態。)

 米国の著作権法ではこれまで、実用品そのものは保護しないという方針を打ち出していた。アディダスが申請したスニーカー2型についても、この方針に従い米国著作権局は実用品であることを理由に登録を却下した。また実用品であっても、ファブリックとしてのデザインは創作性(オリジナリティー)が認められれば保護する傾向にあったが、これらの2型についてはアッパー部分のデザインについても創作性は認められなかった。

 しかしアディダスが再審請求を行った結果、アッパー部分にあしらったデザインの組み合わせ全体を一つの著作物として見た場合、登録するに足りる創作性があることを認めた。著作権の登録が認められると、裁判などでデザインの模倣について争った場合も著作権を保有しているとことを客観的な証拠として提出できるというメリットがある。今回のケースは、実用品を著作権で保護することに消極的だったこれまでの流れを覆す判断で、他のケースでも今後同様の判断がなされるのかが注目される。

 “V1 タートル ダヴ”は、「イージー」15-16年秋冬コレクションのショーで初披露されたもので、生産数がごくわずかだったため瞬時に完売し、日本でも発売初日には約5000人が行列を作った。定価が約3万円だったこのスニーカーは現在、スニーカー売買仲介サイトの「ゴート(GOAT)」では新品が1500ドル(約16万3500円)前後で取引されている。また、16年9月に発売した“V2 ベルーガ”も再販売されるほどの人気で、「ゴート」では新品が800ドル(約8万7200円)前後で取り引きされている。