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「ジャックムス」初のカフェをレポート 南仏風情の内装とフードに早くも行列

 パリのシャンゼリゼ通りに3月28日にオープンした百貨店ギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)内には、フランスのファッションブランド「ジャックムス(JACQUEMUS)」が手掛けるカフェ「シトロン(CITRON)」が出店しています。同ブランドが初めてカフェ事業に乗り出すということで、内装や味が気になり早速足を運びました!

 カフェは全面ガラス張りで、日差しが入る2階にあります。オープンして1週目の日曜日、しかも混み合う14時とあって店前にはすでに列ができており、20分ほど待って入店。中央の天井にはライトの装飾が段状に連なり、逆側へ回ると3階に続く階段になっている構造です。同店は「ジャックムス」と、いくつもの高級レストランを運営するフランスの老舗キャビア専門店「キャビエ・カスピア(CAVIAR KASPIA)」との協業。天井のモダンなデザインは、おそらく「キャビエ・カスピア」のアイデアだと思われます。

 店内は、デザイナーのサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)の故郷である南仏への愛に溢れるデザインでした。30席ほどのスペースで、いたるところに造花が付いたレモンの鉢が置かれています。南仏らしいレンガや陶器の大きなオブジェが店内を飾り、テーブルはレンガ造りやタイルの天板などさまざまで、アンティーク調のウッドチェアがあえて無造作に並べられています。南仏のリゾート地には中世の街並みがそのまま残るレンガ造りの家がたくさんあるのですが、そんな夏の南仏の穏やかでのどかな空気感をパリのシャンゼリゼ通りで感じることができました。

 メニューには数種類のパンと、キッシュやサラダなどの野菜を中心とした軽食、フルーツを使ったスイーツが並びます。パンは、パリ10区に昨年11月にオープンしたパン屋「セン(SAIN)」のオーガニック原料のみで作られるパンを提供。野菜は南仏の食材を扱うパリ郊外の卸売市場「レ・ヴェルジェ・サントゥスタッシュ(LES VERGERS ST EUSTACHE)」のオーガニック野菜とフルーツを使用しています。パティスリーを手掛けるのはパリ最古の菓子店「ストレー(STOHRER)」、チョコレートはパリ最古のショコラトリー「ア・ラ・メール・デ・ファミーユ(A LA MERE DE FAMILLE)」と、魅力的な名前ばかりが並びます。

 私は2017年に最高レストランシェフパティシエ賞を受賞した大人気のパティシエ、セドリック・グロレ(Cedric Grolet)によるレモンのスイーツをチェイスしました。拳よりも小さいレモン型のスイーツで、値段は25ユーロ(約3100円)と少々高めですが、せっかくの機会なので良しとしましょう。レモン味のチョコレートのコーティングを割ると、中にはレモンのムース、さらにレモンの実も入ったジュレが詰まっています。レモンはメキシコ産と南仏のマントン産を使用しており、フルーツの自然な甘みとレモンの爽快感が凝縮された自然の恵みという感じ。甘みと酸味に加えて、ジュレの中に少し入ったバジルの風味が絶妙でした!ちなみコーヒーに添えられていたヌガーもレモン型で、とってもかわいかったです。同行した友人が食べていたタルトやパンもとても美味しかったので、食にこだわるパリジャンたちも満足させられそうな高いクオリティーに、ますます人気が出そうなカフェです。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける