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コスチュームジュエリーで逆転満塁ホームランを狙う 3代目社長が語る成長の秘訣

 「ヴァンドーム青山(VENDOME AOYAMA)」や「プラス ヴァンドーム(PLUS VENDOME)」などを手掛けるジュエリー企業、ヴァンドームヤマダが継続して売り上げを伸ばしている。ジュエリーとコスチュームジュエリー(ガラスやプラスチック、合金などを用いたイミテーションジュエリーのこと)共に充実しており、守備範囲が広い企業だ。「WWDジャパン」が全国百貨店を対象に年2回行うカテゴリー別伸長率ランキングでも常に上位をキープ。年間最大の山場であるクリスマス商戦では、ギフトや自家需要が減少し苦戦した売り場が多かったが、ヴァンドームヤマダはギフトも自家需要も堅調だった。山田潤ヴァンドームヤマダ社長に継続成長の理由や戦略について聞いた。

WWD:「ヴァンドーム青山」をはじめ、基幹となるブランドの売り上げシェアは?

山田潤ヴァンドームヤマダ社長(以下、山田):「ヴァンドーム青山」が73.4%で売り上げの大部分を占める。姉妹ブランドの「VA ヴァンドーム青山(以下、VA)」が3%、コスチュームジュエリーでは、「ヴァンドームブティック(VENDOME BOUTIQUE)」が9.3%、「プラス ヴァンドーム」が3%、そのほか「アナ スイ(ANNA SUI)」などのライセンスジュエリーが3%程度だ。残りは修理やOEM、ODMの売り上げになる。

WWD:ジュエリーとコスチュームジュエリーの売り上げシェアは?ジュエリーの中でのブライダルの割合は?

山田:ジュエリーが76.7%、ライセンスを含むコスチュームジュエリーが22.1%。ブライダルは20%で、競合企業に比べるとシェアが低い。

WWD:オリジナルとライセンスの売り上げ比率と好調ブランド、そして好調の要因は?オリジナルの売上高におけるECシェアは?

山田:売り上げ比率はオリジナルが89.3%、ライセンスが9.5%。好調なブランドは、ジュエリーでは2017年にリニューアルし発展途上にある「VA」で前年比10.2%増、「ヴァンドーム青山」が同3.2%増、ユニセックスの「L.A.H.ヴァンドーム青山」が同10.5%増、コスチュームでは「ヴァンドームブティック」が同0.8%増だった。伸びたのは市場のニーズに応えつつ顧客が満足するサービスを提供したからだ。オリジナルのEC売り上げシェアは3.6%。小売り業にとってECは切り離せない販路なのでしっかり取り組みを続けていきたい。

WWD:SNSなどを使ったデジタル施策は?

山田:オフィシャルのオンラインショップで購入してもらえるように、サイトへの流入を増やす施策を行っている。メルマガでアプローチしたり、ポイントキャンペーンやノベルティー、オンラインでの限定商品などを打ち出したりしているが、リピーターになってもらうのが目的だ。

約600人の販売員はほぼ全員正社員

WWD:「ヴァンドーム青山」が高伸長率をキープできる理由は?

山田:創業以来、高品質で日々使用できるジュエリーを作り続けており、それが浸透しているから。1973年に父が創業した当時はSPAという言葉は一般的ではなかったが、物作りから販売まで一貫して行うという精神を引き継いでいる。一点一点真心を込めて作り、物作りに込めた“思い”を真摯に伝え、顧客に手渡ししている。販売員はブランドの最前線に立つ伝道師だ。だから、約600人の販売員はほぼ全員正社員だ。

WWD:ここ数年の年商の推移と前年比は?

山田:2015年が103億9700万円で前年比3.8%増、16年が110億200万円で同5.8%増、17年が113億300万円で2.7%増。店舗は減っているが1店舗当たりの売り上げが伸びている。

WWD:日本のジュエリー市場におけるヴァンドームヤマダのシェアは?

山田:百貨店のアクセサリー売り場ベースだと、おそらく店舗数も売り上げも1位だと思う。

WWD:競合企業は?競合とみなす理由は?

山田:「4℃」などを手掛けるエフ・ディ・シィ・プロダクツグループとスタージュエリー(STAR JEWELRY)。これら2社と共に日本におけるプチジュエリー市場を作ってきた。ハイジュエラーも手ごろな価格のブライダル商品を投入しており、競合と言える。

コスチュームジュエリーは一山当てると大きい

WWD:現在の課題と今後の戦略は?

山田:コスチュームジュエリーが厳しい状況にあり、立て直したい。「ランバン オン ブルー(LANVIN EN BLEU)」は伸び代があると思っている。ジュエリーもコスチュームジュエリーも小さくなっており、大ぶりのコスチュームジュエリーはファストファッションの店で購入するという傾向があるが、ブランドのコスチュームジュエリーの重みを表現していきたい。ジュエリー市場は安定期だが、コスチュームジュエリーは市場が縮んだ分、チャンスがある。売れる本数がジュエリーと全く違うので、一山当てると大きい。逆転満塁ホームランも期待できる。

WWD:最近の消費動向で気になることは?

山田:SNSが売り上げや認知度アップにつながることもあるということ。昨年のクリスマスに、三越銀座店の本館に「ニコライ バーグマン フラワーズ&デザイン(NICOLAI BERGMANN FLOWERS & DESIGN)とコラボレーションしたクリスマスリースを設置したところ、インスタグラムで拡散され売り上げアップにつながった。それが奏功して、2008年以来初めて、12月期の売り上げが1億円を超えた。また、「渋谷・表参道ウイメンズ・ラン」に協賛し、イヤーカフやブレスレットなど完走者への記念品を提供している。それがSNSで拡散され、ブランドの知名度アップになっている。