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エディ「自身のブランド設立は全く興味ない」 一方ニコラ・ジェスキエールは興味あり?

 シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼最高経営責任者(CEO)が、「セリーヌ(CELINE)」を手掛けるエディ・スリマン(Hedi Slimane)には自身のブランドを立ち上げることに興味がないことを明らかにした。しかし同時に、他のLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下ブランドのデザイナーが自身のブランドを立ち上げる可能性があることも示唆した。

 トレダノLVMHファッショングループ会長兼CEOがこれについて言及したのは、パリで11月9日から開催された第3回「ヴォーグ ファッション フェスティバル(Vogue Fashion Festival)」のスピーチにおいてだった。同氏は「『セリーヌ』を手掛けるエディ、『ジバンシィ(GIVENCHY)』を手掛けるクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)、『ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)』を手掛けるギョーム・アンリ(Guillaume Henry)がこれまで自身のブランドを立ち上げたいと頼みに来たことがあったか」という質問に対し「挙げてくれた3人はないが、他の人、そして他のタイミングで打診されたことはある。誰もが自身の名前をショッパーにプリントしたいわけではないのだ」と答えた。

 自分のスタイルを貫いたエディの「セリーヌ」デビューコレクションが発表されて以来、「なぜエディは自身のブランドを立ち上げないのか」という批判や疑問がファッション業界に渦巻いていた。しかしエディは10月31日に放送されたロイク・プリジャン(Loic Prigent)による仏TV番組「52 Minutes de Mode」で、自身のブランドを立ち上げる可能性を否定。「(自身のブランドを立ち上げることには)全く興味がない。僕の名前は写真活動に限定している。ファッションは巨大な仏メゾン(LVMH)のためだけだ。時が経つにつれて、僕はより熱狂的な愛国主義者になってきている」と明らかにしている。

 一方で、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターは過去数回にわたって自身のブランドを立ち上げる願望を示唆したことがある。ニコラは「ルイ・ヴィトン」が2019年春夏コレクションを発表した直後の10月4日に放送された仏TV番組「Quotidien」に出演し、デザイナーが自身のブランドを立ち上げることに対して「今1番の話題だね」とコメント。番組ホストのヤン・バルト(Yann Barthes)が、ニコラが「ルイ・ヴィトン」との契約を更新したことと絡めて、自身のブランドを立ち上げる準備をしているのかと聞くと、ニコラは回答はしなかったものの、笑みを浮かべた。

 トレダノLVMHファッショングループ会長兼CEOはスピーチ内で、誰のブランドかは断定しなかったものの、「私は何も言えないが、近い将来われわれがデザイナーたちに自身のブランドを立ち上げることを許すことはなきにしもあらずだ」と、傘下ブランドのデザイナーによるブランド立ち上げは視野に入れていることを匂わせた。

 さらに同氏はエディのデビューコレクションに対する批判には「エディがフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)(のスタイル)を継承しないことは全くもって明らかで、疑問を抱いたこともない。ショーの後、ブランドの一貫性が欠けていることに対して驚きを見せたジャーナリストたちもいたが、もともと批判する気満々だったのだろう」と言及。

 「セリーヌ」は歴史的に見てもクチュールハウスではないことから、デザイナーそれぞれによる解釈に対してよりオープンだとして、「われわれはエディと密に協力し、同じ方向を向いている。CEOの役目は全てをオーガナイズすることで、デザイナーに共感し、目標達成のための手段を与えなければならない。しかしそのためには細かなところまで全てを完璧に整えなければならない」とエディがブランドのコントロール権を完全に奪ったという批判を退けた。

 「ヴォーグ ファッション フェスティバル」ではトレダノLVMHファッショングループ会長兼CEOの他、LVMHから、クレア「ジバンシィ」アーティスティック・ディレクター、アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)「リモワ(RIMOWA)」共同CEO、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)「ルイ・ヴィトン」メンズ・アーティスティック・ディレクターらが登壇した。

 クレアは、自身のブランドを立ち上げることに対して「チームでいることが好きだから、自身のブランドを立ち上げようとは考えたこともない。対話をすることで物事がより生き生きとするし、より面白くなるから、人と働くことから得られるものはたくさんある」とコメント。さらにネガティブなフィードバックに対しては「批評は大事だけど、私はポジティブな批判を信じている。ただ批判をして人を排除するのは本当に好きじゃない。ただ混乱するだけだから、私は今私たちがいるこの瞬間だけを考えるようにしている」と語った。