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リシュモンが「ランセル」売却 時計・宝飾のコア事業に集中の姿勢

 コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は4日、レザーグッズの「ランセル(LANCEL)」をイタリアのピークアドロ(PIQUADRO)社に売却したと発表した。「ランセル」については、両社とも年初から事業の譲受を認めていた。

 売却額は明らかになっていないが、リシュモンは「通期決算への影響は軽微だ」とコメントしている。リシュモンは事業を売却してなお10年間は利益の分配を受けるが、その総額は3500万ユーロ(約44億8000万円)にも満たない見通し。1997年に事業を取得した際は、2億7000万ユーロ(約345億6000万円)を支払っていた。

 業界筋は、「『ランセル』の売却はリシュモンにとって賢明な判断で、核たる事業への集中の証であり、軟調なブランドにより負わされていたムダを削減するものだ」と評価している。

 リシュモンは1日、中古の高級時計を販売するウオッチファインダー(WATCHFINDER)社の全株式を取得して、傘下に収めると発表したばかり。

 一方のピークアドロは同名のブランドを手掛け、2017年度の年商は前年に比べて28.6%増の9760万ユーロ(約124億9000万円)。フィレンツェに拠点を構えるレザーメーカーのザ・ブリッジ(THE BRIDGE)社を傘下に収めたことが貢献した。ピークアドロは1987年、ボローニャで現在社長兼最高経営責任者を務めるマルコ・ピークアドロが創業した。50以上の国に99のブティックを有し、うち海外の販路は36。日本ではカマタがディストリビューターを務めていたが、契約は昨年で終了している。

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