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ユナイテッドアローズ「GLR」副店長が語る ママと働く売り場のリアル

 小泉聡子・副店長は「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING 以下、GLR)」ルミネ新宿店で育児中の女性(以下、ママ)2人とアルバイト5人を含む26人のスタッフをまとめている。同店は「GLR」の中でも売上高が大きい有力店舗だ。入社以来、「GLR」一筋。ママと一緒に働く売り場での実情について聞いた。

WWD:まず簡単に仕事内容を教えてください。

小泉副店長(以下、小泉):基本的に日々の現場運営業務を任されています。接客はもちろん、バックルームを担当することもありますし、何でもやります。また、店長不在の時はその業務の代行やお客さまへの対応もするので、店のことはすべて共有してもらっています。

WWD:売り場でママが働くうえでまず配慮しなければならないのが、シフトだと思います。現在、2人のママはどのように働いていますか?

小泉:常に早番で平日16時半までの人と17時半までの人がいます。“平日の朝はママが守る”という感じになっています。

WWD:シフトはまずママ優先ですか?

小泉:そうですね。シフトは店長が作るのですが、私も千葉店店長時代は基本的に「どう生活したいか」「どういうリズムがいいか」を聞いたうえで、なるべく優先するようにしていました。育児というのは、本人でしか分からない大変さや苦労があると思います。今の店長もそこは配慮していると思います。

WWD:そうするとママ以外のスタッフが土日に休めなかったりして、不満は生まれませんか?

小泉:基本的にはシフトを組む時点で別枠というか、週末は(ママは)いない前提でシフトを回せるようにしていて、他のスタッフも週末は最低何人必要だということを理解しています。その中で、休みの希望日が重なってしまうときもありますが、お客さまに対応できなくなってしまうので、相談して代わりにどこかで休めるようにやり取りしています。私自身も、子どもはいませんが、夫婦で過ごす時間を増やしたいと事前に伝えていて、なるべく日曜は休むようにしています。

WWD:異動してきてもうすぐ1年ですが、優先したいものを持ち寄りながら、お互いを尊重するというムードはもともとできていましたか?

小泉:自分が勇気をもって伝えることで、みんなも言いやすくなるかなというのは感じました。自分の希望を言っていいものなのかと思ったりもしましたが、例えば店長になれば、やりやすいようにシフトも作れて、もうちょっと自分のことも優先できるかもと考えて、頑張ってきたところもあります。そうしたかつての自分の思いも大事にしたかったので、今の店長にも上司にも、それをしっかり伝えたうえで異動してきています。

WWD:4月からもう1人ママが増えると聞きましたが、シフト組みなどが難しくなることはありませんか?

小泉:実際3人になると他のスタッフたちの早番がなくなってしまう可能性があります。私の世代は周りに子どもがいるのである程度想像できるのですが、20代前半の若い子たちに母親であることの大変さを理解させるのは結構難しかったりします。彼らの間に入ることがたくさんあるので、ママさんたちとは他愛もない話を休憩時とかにたくさんして、その大変さなどを若い子たちに伝達したりしています。ママさんたちにおいても、働くことにおいての意識レベルやモチベーションは各々違っていて、どう働きたいかというのはやはり本人に聞くようにしています。目標を決める時には仕事の場が自身にとってどんな場で、どういう風に過ごしていきたいかは聞き出したいなと思います。

WWD:職場にママがいることによってメリットはあると思いますか?

小泉:「GLR」はキッズもあるので、ママさんがいるとまずお客さまとリアルなお子さん事情が共有できます。また、ママさん世代が来店された時の安心感というのもメリットだと思います。「私の世代も着ていいんだ」と感じてもらえることもあると思います。一方、内側から見ると働き方の部分で「ママでも働けるんだ」と見せられるところがあります。私自身も実際入社したときにママさんがいた状況で、こういう風にお洋服に携わってキラキラできるというのはいいなと思いましたし、目指せたらいいなと思いました。お子さんがいたら働けなくなっちゃうではなくて、やりたかった仕事を継続してできるというところはステキなことだと思うので、そういう背中を見られていると思います。特に中途採用の人たちが、意外と福利厚生を見て入社してくるというのはすごく感じていて、20代前半より半ばあたりの人に響くようです。