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18年春夏メンズ、最大のトレンドがハワイの謎を考える

 みなさん、こんにちは。パリメンズも今日でラスト。今回のメンズ・コレクションは、パリ前半まで連日、本当に毎日(‼︎)最高気温が35度オーバーの酷暑。街の温度計は度々38度をマークし、数字のインパクトのせいか、それとも暑さのせいか、クラクラすることもしばしばでした。おかげで、いまだ本調子ではありません(苦笑)。

 さて、今回のメンズは、そんな酷暑にピッタリのお気楽・極楽なハワイアンが一番のビッグトレンドです。代表例は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」。 キム・ジョーンズ(Kim Jones)って本当に、クラフツマンシップはものスゴいのに、シンプルに見えて、キャッチーで、わかりやすい、そんなコレクションを作るのが上手です!大好き!今回は何と言っても、このオーガンジーを重ねたアロハシャツでしょう。合わせたサコッシュも、モノグラムの新色が爽やかです。

 これほどまでにハワイアンが盛り上がるのは、やはり、複雑に、そして残念ながら、ある意味で暮らしにくくなるばかりの現代社会が大きく影響しているでしょう。出張に来る前は、あらゆる人に「気をつけようがないけれど、気をつけて」との言葉をもらい、飛行機に乗りました。メンズはロンドン、フィレンツェ、ミラノ、パリと続くロングトリップですが、このうちロンドンとパリでは、テロや悲しい事件、大きな事故が絶えることがありません。そして、ショー会場に行けば、あらゆる人が携帯を手に、小さな画面越しにコレクションを見ています。僕もその一人なので大きなことは言えませんが、高度な情報化は社会のあり方を変えました。「プラダ(PRADA)」はバーチャルリアリティ、仮想空間に想いを馳せ、コミックにインスピレーション源を求めました。そして「ランバン(LANVIN)」のメンズトップ、ルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)は、「情報化社会は、もう誰にも止められない。あらがうのではなく、その中で生きることを考えたい」と話し、スタイルにおいても、素材においても、過去と現在がグチャグチャのコレクションを送り出しました。伝統的なスーツ地で作った、アウトドアブルゾンなどが代表例です。

 デザイナーは、今の複雑ゆえ忙しく、歪みが生じ始めた世界のことを考えています。だからこそ、誰もが「気持ちいい」と思えるハワイ、海やプールに入っちゃえば携帯なんて触れないから、ある意味デジタル・デトックスできちゃうハワイが、以前よりずっとステキに見えるんだと思うんです。

 と思ってハワイ観光局のサイトをサーフィンしていたら(ネットサーフィンなのが悲しいところw)、やはり、ハワイへの観光客は右肩上がり。特にアメリカ大陸からの観 光客は、「リラックスできる」「ロマンチック」「他にはない景観」を求め、グアムでもサイパンでもなく、ハワイを選んでいるそうです。

 リラックス、ロマンチック、景観……。ほら、なんだかファッションの世界でも度々聞くキーワードじゃありませんか?誰もがリラックスできる洋服を求め、オーバーサイズやスポーティなテイストが台頭し、社会が複雑化するからこそ普遍的でロマンチックな愛の存在価値が高まっている。それでインスタ映えまでしちゃったらサイコー!ファッションの世界は今、こんなムードと言えるでしょう。ハワイそっくりですw。ハワイとファッションの共通点は多いかもしれない。そう思っています。

 となると、やっぱり一度、ハワイには行ってみないとダメだな。実はムラカミ、ハワイにはまだ一度も行ったことがないんです。さぁファッション業界人の皆様!この夏は、トレンドをより深く理解するためにも、ハワイに行ってみてはどうでしょうw?ただそこでは是非、普段と違うハワイの楽しみ方を考えましょう。だってハワイ州観光客のサイトによると、日本人に人気の理由は、「日本語が通じる」とか「ショッピングに最適」なのだとか。それより次は、「リラックス」「ロマンチック」「ビューティフル」なハワイ旅行を心がけてみませんか?