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アダストリア上期業績は横ばい、ECは4割増

 アダストリアの2016年3~8月の6カ月決算は、売上高が977億円(前年同期比0.7%増)、本業のもうけを示す営業利益が80億円(同1.0%減)、経常利益が80億円(同3.3%減)だった。天候不順の要因や、ファッショントレンドの変化がなく新たな提案ができなかったことなどの反省はあるものの、国内の既存店前年比は2.3%増と堅調だった。リブランディングや店舗の大型化を進める「グローバルワーク」を筆頭に、「ジーナシス」「レプシィム」などがけん引した。売上総利益率は57.9%で、前年同期に比べて0.6ポイント改善した。春夏のセール期を中心に値下げ幅がやや拡大したが、6年前から取り組んできた商品調達構造改革などにより原価低減が進んだ。経費を抑制したこともあり、販管費率は49.6%と前年同期比で0.7ポイント改善した。

 EC売上高は130億円(同39.6%増)と引き続き躍進し、EC化率は14.0%となった。自社ECサイト「.st」(ドットエスティ)はファッション企業ではダントツの会員数となる約500万人となっている。

 新たな施策として、「支店制度の導入」と、「R&D室の設置」「北米マーケットへの進出」を打ち出している。「支店制度の導入」では、従来はブランド長の下にエリアマネジャーを置き各地の店舗を回る縦割り型だったものを、支店制度を導入することにより、地域密着にして、支店や出店している館を軸に横串を通すことで、きめ細かいサポートや店舗運営の効率化が図れるようにしている。
 「R&D室の設置」は、契約社員も多いデザイナーやパタンナーなど、才能や技術を持った人材のマネジメントを統合し、商品企画・情報発信機能を強化することが狙いだ。

 「北米マーケットへの進出」については、日本のアパレル、ファッションの売り上げがフラットか微減の中で、ボリュームで伸びているのが中国、次が北米という現実を見据えたもの。「グローバルで成長できるマルチブランドリテーラー」を目指すアダストリアとして、北米展開に着手している。まずは4月にサンフランシスコを拠点としたカリフォルニアテイストのデイリーカジュアルウエア販売会社であるマリーンレイヤー(MARINE LAYER)社に10%を出資。日本で展開しているブランドを現地展開するのではなく、店舗展開とeコマースで成長の可能性がある北米企業にマイノリティー出資することで、現地のネットワークと運営ノウハウを獲得していくという手法をとる。サプライチェーンやビジネスオペレーション、価格帯などで親和性があるところを開拓したい考え。

 なお、3~8月期には、国内で38店舗を出店し、21店舗を退店。過去最高級の41店舗を改装し既存店の活性化に力を入れた。期末店舗数は1237店舗となった。通期では73店舗を出店し、42店舗を退店、期末店舗数は1251店舗となる見通しだ。

 17年3月にデビューさせるライフスタイル型新業態の名称は「ラコレ(LAKOLE)」に決定。売り場面積150坪(約495平方メートル)を標準に初年度はショッピングモールを中心に10店舗前後を出店する。すでに50軒近いオファーが来ているといい、出店物件を厳選していく考え。

 17年2月期の通期業績予想は、売上高2089億円(前期比4.4%増)、営業利益170億円(同6.2%増)、経常利益173億円(同6.9%増)。投資有価証券の一部売却による売却益約30億円を見込むため、親会社に帰属する当期純利益は120億円(同31.5%増)を予想する。