
スポーツブランドの好調が続いている。2025年のスポーツメーカー世界売上高ランキングでは、1位のナイキ(NIKE)約7兆5100億円、2位のアディダス(ADIDAS)約4兆5900億円とトップ2の顔ぶれは変わらないが、3位に中国のアンタ(ANTA)約1兆9200億円が続き、前年比+13.3%と大きく躍進した。その他、6位のニューバランス(NEW BALANCE)が約1兆4900億円で+19%、8位のアメアスポーツ(AMER SPORTS)が約1兆600億円で+26.7%、10位のアシックス(ASICS)が約8100億円で+19.5%と大きな成長を見せている。その他もプラス成長をしている企業が多く、トップ15のうち13社が前年比でプラスとなった。この好調を支える要因は、2026年FIFAワールドカップを筆頭に各大会でのトップアスリートの活躍による需要の増加や、ブランド独自のコミュニティー形成によるそれぞれのマーケットの開拓など数多いが、今までと比べファッションの分野でスポーツブランドが選ばれるようになっていることも見逃せない。元より、スポーツファッションはジャンルとして確立しているが、それはアイコニックなスニーカー、ジャージやトラックパンツなどの定番品によって支えられていた。しかし近年は、高品質な新開発素材を用いて現代的なアイテムを構築したり、スポーツという特定のシーンのみならずライフスタイル全般を彩る普段着としての認知が広がったりすることで、ファッションブランドと同じ土俵でも選択肢に上がっている。より快適に、より機能的にと各ブランドが培ってきた技術にファッション性が融合し、消費者にとって有用な衣服となった結果、各社好調の状況が生まれているのではないだろうか。もちろん、ブランドがそれぞれ保有する“クラシックな美学”も変わらず人気は高い。「ナイキ(NIKE)」のスウッシュ、「アディダス(ADIDAS)」のトレフォイルなどのアイコンはブランドロゴ以上に機能し、長年人気の高いスニーカーやユニホームは現在でも同じモデルが復刻、アップデートされ安心感のある名作として選ばれ続けている。多くのアーカイブを持つ歴史と、信頼できるブランドによる最新機能素材。この2つがスポーツブランドが生み出すファッションの根幹となっている。(この記事は「WWDJAPAN」2026年8月17日号からの抜粋です)
矛盾せずブランドを支える
「クラシック」と「テック-モード」
本特集では、昔ながらのアーカイブやスポーツブランドらしいファッションを「クラシック」、最新素材の機能性とファッション性が融合して生まれた新しいアイテムを「テック-モード」として分け、それぞれの持つ魅力に迫る。これらは相反するものではなく、復刻やレトロテイストで作られたユニホームにも高機能素材は使用されて着心地や耐久性が高くなっており、テック-モードなアイテムにもベンチレーションなどスポーツアイテムらしいディテールが搭載される。スポーツとライフスタイルは横断し、アップデートされた新しいアイテムを作り続けている。また、メゾンブランドからキャラクターIPまで幅広くコラボレーションできる懐の広さや、アスリートが本気になって作った服などのトピックスも見逃せない。いつの時代も人を熱狂させるアスリートのパフォーマンスを支える土台が作った、スポーツブランドの真摯で魅力的な世界をのぞいて見てほしい。
PHOTO : KODAI IKEMITSU(bNm)
STYLING : YUSUKE ARIMOTO
HAIR&MAKE-UP : YOUSUKE TOYODA(ROOSTER)
MODEL : ANIELA(HELLO TOKYO), SLAVA(HELLO TOKYO)
ART DIRECTION&DESIGN : SUGURU NAGAHASHI