米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)は、米アパレル会社コントア・ブランズ(KONTOOR BRANDS以下、コントア)が擁するデニムブランド「リー(LEE)」の獲得に動いているようだ。
コントアは5月7日、「リー」を2026年中に売却するべく競争入札の手続きを開始したことや、すでに複数の企業が関心を示していることを発表。情報筋によれば、ABGは現在、コントアと独占交渉中だという。なお、本件についてコントアおよびABGからのコメントは得られなかった。
市場では買い手候補を巡る臆測が飛び交う
現在、市場では本件を巡りさまざまな臆測が飛び交っている。一説によれば、ABGの独占交渉期間はもうすぐ終了するようだが、コントアが26年中の売却を目指していることを踏まえ、規模や資金力に優れたABGが買い手の最有力候補と見る関係者が多いようだ。また、取引は今後数週間から数カ月の間に決まるのではないかという予想や、コントアは「リー」を6億ドル(約936億円)以上で売却することを望んでいるとするコメントも見られた。
コントアと「リー」について
「リー」は1889年、米カンザス州で食品や雑貨の卸売業としてスタートし、1911年からオーバーオールの製造を開始。その後、自動車整備工向けのワークウエアやカウボーイパンツ“101”、デニムジャケットなどが人気を博し世界的な成長を遂げ、左綾デニムの使用やジップフライの導入などで知られている。69年にVFコーポレーション(VF CORPORATION)が買収。同社は86年、「ラングラー(WRANGLER)」などを擁するブルーベル・ホールディング(BLUE BELL HOLDING)を買収して本格的にジーンズ事業に参入した。しかし、2000年代以降に傘下に収めた「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」などのブランドを擁するアウトドアおよびアクティブ部門が売り上げの中心となったことから、18年にジーンズ事業を分離した新会社コントア・ブランズを設立。新会社は19年5月に上場し、「リー」と「ラングラー」のほかに「ムストー(MUSTO)」や25年に買収した「ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)」を保有している。
「リー」はここ数年、業績が低迷している。コントアのスコット・バクスター(Scott Baxter)会長兼最高経営責任者兼社長は「リー」の売却を発表した際、「これにより、持続的かつ力強い成長が見込まれる『ラングラー』や『ヘリーハンセン』にリソースを集中することができる。これにより当社のさらなる成長が期待でき、株主利益もより最大化できるだろう」と述べた。
ABGはIPビジネスのリーディングカンパニー
ABGは10年の創業。IPビジネスをけん引するリーディングカンパニーで、「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「フォーエバー21(FOREVER 21)」、米「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」「リーボック(REEBOK)」「テッドベーカー(TED BAKER)」「クイックシルバー(QUIKSILVER)」「ビラボン(BILLABONG)」「ハンター(HUNTER)」「チャンピオン(CHAMPION)」「ゲス(GUESS)」など50以上のブランドを保有している。