ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)は、中国の投資会社HSGに過半数株式を、シンガポールの政府系投資会社テマセク(TEMASEK)と資産運用会社トゥルーライト・キャピタル(TRUE LIGHT CAPITAL)に少数株式を売却することを発表した。金額は非公開だが、市場関係者は計25億ユーロ(約4575億円)程度と推測している。取引は2026年夏頃までに完了する予定。
なお、シルヴィオ・カンパラ(Silvio Campara)=ゴールデン グース最高経営責任者(CEO)は続投する。既存の過半数株主である英投資会社ペルミラ(PERMIRA)と少数株主の米投資会社カーライル・グループ(CARLYLE GROUP)は、いずれも少数株主として残る。
また、24年4月にゴールデン グースの非業務執行取締役に就任したマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)=ネッシファッション(NESSIFASHION)創設者は、非業務執行会長に就任。同氏は14年から23年9月までグッチ(GUCCI)の社長兼CEOを務め、24年2月に投資会社ネッシファッションを設立。25年12月には、ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)の取締役会に加わっている。
ペルミラによる買収時から売り上げは2.5倍に
「ゴールデン グース」は、イタリア・ベネチアを拠点とするデザイナーのフランチェスカ・リナルド(Francesca Rinaldo)とアレッサンドロ・ギャロ(Alessandro Gallo)が00年に創業。ラグジュアリースニーカーの先駆け的存在で、最高品質の素材を使用し、伝統的な職人技を大切にしている。15年にベルギーの投資会社エルゴン・キャピタル・パートナーズ(ERGON CAPITAL PARTNERS)と伊投資持株会社ジニャーゴ・ホールディング(ZIGNAGO HOLDING)が、17年には米投資ファンドのカーライル・グループ(CARLYLE GROUP)が買収。20年に、ペルミラが12億8000万ユーロ(約2342億円)でカーライルから買収した。
ゴールデン グースの24年12月期決算は、売上高が前期比11.5%増の6億5457万ユーロ(約1197億円)、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同13.8%増の2億2726万ユーロ(約415億円)、純利益は同7.5%増の5269万ユーロ(約96億円)の増収増益。ペルミラが買収した20年の売上高は2億6600万ユーロ(約486億円)だったため、およそ2.5倍の成長となっている。
なお、同社は24年6月21日にミラノ証券取引所に新規上場する予定だったが、その直前に延期を発表。同社によれば、これは同月に行われたEU議会選挙の影響などで「欧州市場が不安定になっている」ためで、「再度タイミングを見計らう」としたものの、具体的な時期については明らかにしていない。
HSGやテマセクについて
HSG(旧セコイア・キャピタル・チャイナ)は05年の設立。テクノロジーやヘルスケア、消費財セクターを中心に、これまで1600社以上に投資している。
テマセクは1974年設立。シンガポールを中心にグローバルに活動しており、ファッション関連ではモンクレール(MONCLER)やエルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP)などに投資している。トゥルーライト・キャピタルは21年の設立で、テマセクの独立子会社。