
大丸松坂屋百貨店は11月7日正午、オリジナル3Dアバターの新作衣装を発売した。琉球王国の伝統的な染めもの“紅型(びんがた)”の柄をアレンジした3D衣装だ。BOOTH「大丸・松坂屋アバター 販売公式」で販売した。発売記念に、11月29日沖縄県で開催する「メタのみ×OKIVFES リアル 超!めんそ〜れ広場」に出展する。
本衣装は、J.フロント リテイリング史料館に所蔵されている松坂屋コレクションの“紅型”を元に、メタバース空間のファッション文化に合わせてアレンジし制作。昨年末から本年年頭にかけて販売した3D着物に続き、当社が過去に収集した史料をもとに、メタバース空間で伝統的な文化を体験し楽しんでもらう取り組みだ。
今回の新作衣装では、3つのスタイルを販売する。伝統的な琉球舞踊の衣装“舞踊四つ竹”は、蓮の花をモチーフにした花笠と手に持っている四つ竹という楽器が特徴だ。紅型の柄を用いて現代風にアレンジしたデザインの“ニライ”“カナイ”は、それぞれに琉球の曲玉や魔除けのサングヮーをデザインに採用する。より多くの人に楽しんでもらうために、大丸松坂屋オリジナル3Dアバターに加え、VRChatで人気のアバター“狛乃”“しなの”“真央”“マヌカ”の4種も着用できるサイズをそろえる。
衣装デザインは、沖縄生まれの総合エンターテイメント創造企業のあしびかんぱにーが担当。同社は「沖縄の伝統衣装である紅型を、リアルとメタバースの両面から表現できることに大きな意義を感じる。歴史や文化へのリスペクトを大切にしながらも、バーチャルならではの新しい見せ方に挑戦した。多くの方に『沖縄の美しさ』と『紅型の魅力』を感じるきっかけになれば嬉しい」とコメントを寄せた。
監修には、琉球王府の儀礼音楽や沖縄の民俗芸能を後世に残す活動を行う530(ゴサマル)を迎えた。「監修作業では関係者皆様の琉球文化へのリスペクトを再認識した。琉球の近世伝統文化は内地のものと比較しても焼失、消滅して復元困難なものが非常に多い。そんな状況下で、紅型のバーチャル化という試みを通して、琉球の歴史や文化の新たな可能性を目一杯感じ、ワクワクする」と同氏はコメントした。