
シューズとアパレルのECサイト「ロコンド」を運営するジェイドグループ(以下、ジェイドG)は10月15日、民事再生手続き中のシューズ卸のロイヤル(愛知県名古屋市)の再建スポンサーに契約を締結した。ロイヤルは今年5月に民事再生法を申請。2025年8月期の売上高は91億円、純資産2億7200万円に対して、総資産は98億6100万円だった。ジェイドGは物流×ITで磨いてきたDXノウハウをロイヤルに注入し、スピーディーに再建。ジェイドGの田中裕輔社長CEOは同日付に発行した「株主への手紙」の中で、25年2月期に15億だった営業利益を倍増の30億円に引き上げる考えを示した。
ロイヤルは大阪のスポーツ製造・卸のニッキーが43.6%を出資。アパレルやシューズを取り扱う「ゼットクラフト(Z-CRAFT)」をイオンモールや楽天市場、ヤフーショッピングなどに出店しているほか、岡山に2万5000坪の自社倉庫を所有し、物流受託も行っていた。
ジェイドはこれまで蓄積してきたDXノウハウを注入するほか、損益管理(PL)と賃借対照表(BS)、キャッシュフローを組み合わせた独自の経営管理ツールを用いて採算や在庫管理を徹底する。
一方でロイヤルが海外に保有する検品子会社や、家電やフードなどの非アパレル・シューズの商材調達機能を生かし、取扱商材を拡大する考え。
同日に発表した2025年3〜8月期決算は商品取扱高が前年同期比7.8%減の224億円、売上高が同6.3%減の89億円、営業利益が約2倍の10億900万円、純利益が5億7300万円(前年同期は2200万円)だった。ブランド事業の主力である「リーボック」が生産不良で苦戦したものの、マガシークの統合効果で利益は大幅増益となった。