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ルックHD多田会長「うちは粘り強い」 韓国事業の逆境をバネにできるか

「うちは粘り強いから」と話すのはルックホールディングス(HD)の多田和洋会長だ。先日、韓国の連結子会社アイディールックと仏SMCPホールディングスとの間で結ぶ婦人服「マージュ」「サンドロ」などの独占販売契約が2026年2月末で終了することになったと発表した。当該事業の売上高は25年12月期で120億円に達する見通しで、連結売上高の23%を占める。

これによる大幅減収に対しては「新ブランド導入を検討する」「売り上げが減っても利益を残せるよう改革を進める」(澁谷治男社長)など対策を講じるが、具体的には今後詰めていくことになる。韓国のファッション市場自体が低迷しているため、穴を埋めるのは簡単ではない。28年12月期を最終年度とした中期経営計画も見直しを余儀なくされる。

それでも多田会長が「粘り強さ」を強調するのは、主力ブランドの契約終了の危機をバネに成長してきた実績があるからだ。09年に「マーク ジェイコブス」および「マーク バイ マーク ジェイコブス」(当時の連結売上高構成で約13%)、15年には「トリーバーチ」(同約15%)を販売契約終了で失った。その都度、既存事業の磨き上げや新規事業の導入によって立て直し、22年12月期には純利益で過去最高を達成している。国内の衣料品の販売苦戦、韓国の主力ブランドの契約終了といった逆境を乗り越えられるか、同社の胆力が試される。

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