国内外における空間づくりをトータルに手がける船場は7月1日、オフィス家具の開発やワークスタイルのコンサルティングを行うコクヨと業務提携を締結した。本提携は、両社が国内ならびにグローバル成長戦略の空間創造事業パートナーとして、国内外の空間構築事業の競争力を高めながら、持続可能なオフィス空間づくりの実現を目指す。また、相互の持つグローバルなネットワークとノウハウを活かし、家具と工事をクロスセルで提供することで、アジア諸国を中心にサービスの拡大を視野に入れる。
近年、働き方やライフスタイルの変化、サステナビリティへの関心の高まりにより、企業の競争力の源泉が「人」へと移り、人材戦略やイノベーション推進、経営戦略などと密接に連動したオフィス空間のニーズが増加。それを背景に本提携が始動した。また、グローバル展開を目標として掲げるほか、顧客の多様なニーズに対応した空間づくりの提案や、両社の知見を活用した新規事業の創出、協働による次世代の育成ならびに人材交流も期待する。
海外に5カ所の拠点を展開する船場の小田切潤社長は、「コクヨのワークプレイス構築力及び全国の強力な営業ネットワークに加え、船場の本業である総合的な設計・施工力を掛け合わせることで、グローバルでより高付加価値なサービスを提供できると確信している。これまでにないイノベーティブでラジカルなオフィス関連空間の構築を目指していきたい」と語る。
両社はこれまでにも、国内外のオフィス構築プロジェクトで多数の連携実績を上げている。コクヨが持つ働く場の設計力、家具、建材の商品力と、船場の賑わいの設計力、演出力、施工、エシカルネットワークが融合し、完遂した国内外の企業オフィスの設計施工、サステナブルワークプレイスの共同研究が事例としてあげられる。
海外に7カ所の拠点を構えるコクヨの矢田章執行役員グローバルワークプレイス事業本部事業本部長は、「本提携は、両社の技術と経験を融合し、グローバル市場での競争力を飛躍的に高める重要な一歩だ。今後は、国境を越えて新たな価値を共創し、変化の激しい世界市場に柔軟かつ力強く挑んでいく。両社のシナジーを最大限に活かし、持続的な成長とイノベーションを実現していく」と述べる。