俳優・井浦新が手がけるコスメブランド「クルヒ(KURUHI)」は4月25日、初のスキンケアアイテムを発売する。ラインアップは、ジェルクレンジング“ザ フェイス クレンズ”(200mL、5445円)とオイルイン美容液“ピュリティ ハーベスト レイヤー セラム”(30mL、1万3200円)の2品。公式オンラインストアのほか、三越伊勢丹の外部オンラインショップ、全国の一部サロンやギャラリー、アパレルショップなどで取り扱う。
「クルヒ」は、井浦氏がパートナーの愛氏とともに2022年に立ち上げたブランド。シャンプーとトリートメントからスタートし、23年に発売したマルチバームを含めて計3製品を展開してきた。自然由来の原料を前提に、地域課題や未利用資源と向き合いながら製品開発をしており、今回も一次産業の副産物や未活用素材を積極的に採用した。
ジェルクレンジング“ザ フェイス クレンズ”は、北海道産のトドマツ蒸留水と高知県産柚子の精油を使用。天然クレイ“ベントナイト”と米ぬか由来の成分“ガンマオリザノール”を配合し、肌の潤いを守りながら毛穴汚れを吸着する。朝晩の洗顔料としても、メイク落としとしても使用できる。
“ピュリティ ハーベスト レイヤー セラム”は2層式のオイルイン美容液。油層には国産で厚搾一番搾りのコメ胚芽油や柚子種子油、ツバキ種子油を配合。水層にはトドマツ蒸留水や奈良県産のチャ葉水、米ぬか由来の保湿成分“イノシトール”を1%配合し、肌に潤いとハリを与える。
香りは、井浦氏がブランド立ち上げ以前から趣味や役作りの一環で取り組んできた調香の感性を反映。“ザ フェイス クレンズ”は、ゼラニウム、ネロリ、トドマツの天然精油にユズ果皮水を重ね、「まるで月を飛び越えるような多幸感のある香り」(三浦氏)を表現した。“ピュリティ ハーベスト レイヤー セラム”は、ユズや青ミカン、ベルガモットの精油を中心に構成し、清らかで深呼吸したくなるような香りに仕上げた。
「納得のいく土で製品を作る」
農業生産法人を設立
井浦氏は「納得のいく土から原材料を育てたい」という思いから、24年に農業生産法人アーセンキッチンを設立した。マルチバームに使用するハーブの生産者である鹿児島県の農家、肥後十蔵氏と協働で、鹿児島県南大隅町の耕作放棄地を活用し、原材料の栽培を進めている。南大隅町の人口は5800人で、鹿児島県内で最も過疎化が進んでいる地域だ。
肥後氏は「料理のように土作りをしたい」という志を持ち、もともと水産業に従事していた経験から廃棄される魚の骨や地域の精米の米ぬか、微生物などを活用して土作りをしている。「地域で困っている人の資源を活用して土に還すことで、地域の問題解決につながる農業がしたい」という肥後氏の考えに井浦氏が共鳴してアーセンキッチンの設立に至った。現在は薬草や有用植物の栽培に着手し、無農薬で耕さずとも自然のサイクルで循環する畑作りに取り組む。
敷地内には蒸留所も併設し、収穫した植物をすぐに蒸留して製品へ活用する体制を整えているところだ。今後は「季節ごとに収穫できた素材をそのまま製品に搭載するシーズナルラインの展開や、体験型のリトリートツアーを行いたい」と井浦氏は話す。